小野寺美穂

東京でデザイナーをしています。青森県八戸市出身。 愛するもの | 日本酒、特に陸奥八仙 | つくること、つくるひと。| 岡村靖幸

小野寺美穂

東京でデザイナーをしています。青森県八戸市出身。 愛するもの | 日本酒、特に陸奥八仙 | つくること、つくるひと。| 岡村靖幸

最近の記事

今夜も私はベッドの上でりんごを描く | DAY14

14日目。今日もベッドの上で描く。 やっぱり全体を掴むには、正しく描いてやろう、みたいな理性スイッチをOFFにするのがよさそう。 これが今日のデッサンだけど、机に向かって真面目に描こうとした日よりも、目の前のりんごに向き合えている気がする。

    • 力の抜き方にセンスのある、あの人のようになりたい | DAY11・DAY12・DAY13

      何に対してもやる気が出ない。そんな日がうっすらと続いた3日間だった。 デッサンも、どうしてもやる気が出ないものだから力を抜いてベッドの上でやろうと思ったけど、だめで、途中でやめてしまった。 発見があったとすると、ベッドでリラックスした方が全体を身姿やオーラのようなものを捉えるのに苦労しなかった気がする。 力を入れることも大事だけど、同じくらい抜くことも同じくらい大事。 とは分かっているけど、上手くできずにはや幾年。力の抜きどころと、抜き方にセンスのある、あの人のように

      • デッサン10日目にして、8Bの鉛筆を導入した | DAY10

        毎日デッサンをすると決めて10日目。 これまで4Bの鉛筆で描いてたけど、8Bを導入した。画風も、描くときの感覚も全然変わる。 これが10日目のもの。 こっちが9日目。 より、ひろい面が捉えやすくなるというか、わしわしっと書きつけていく感覚。あと、艶も表現しやすい。 しかし、上手くなったような勘違いが生まれるので危険。 例えるなら、ちょっと値段のするランニングシューズに買い換えて走り始めたときのような、ちょっとした全能感みたいなものがあった。

        • 思い通りにならない世界で、この手の中にあるものだけは変えていくことができる | 毎日デッサンDAY9

          9日目。 今日から新しいりんごを迎えている。まだら模様が美しく、スーパーで買う時、無意識に「美味しそう」よりも「描きたい」で選んでしまった。 さて。同じりんごなのに、個体変われば振り出しに戻ったように描けなくなる。感覚的には、りんごと柿くらい、猫と犬くらい違う。(柿も、猫も犬もデッサンしたことないけど。) 今日は、なんだかなあ、と思う出来事があって。大きく落ち込むこともできず、小気味よく切り替えられるでもなく、ただ水中で水平を保つことだけに気を配るような一日だった。

          飽きが来た。流れを変えたい | 毎日デッサンDAY8

          8日目。 球体を捉えるところが一番たのしい。 球というのは何か一つの要素によって成り立っているわけではなく、りんごを構成するすべての要素が、球になるためのそれになっている。 模様の入り方、筋の入り方、光り方、影のつき方・・・みんながみんな、このりんごの形状を成立させるために然るべきあり方をしている。だから、どれを省いても、おろそかにしても、本当は、いけないのだ。 8日目にしてちょっと飽きが来てしまった。テコ入れがしたい、ということで新しいりんごを迎えてみた。おそらく、

          飽きが来た。流れを変えたい | 毎日デッサンDAY8

          描けなかった日の扱い方 | 毎日デッサンDAY6・DAY7

          二日連続で描けなかった。 私が描こうが描かまいが、誰も待っているわけではないので、またしれっと描き始めればいい。でも描けなかった日に私がどう感じるのか、私が興味があって、こうして書いてる。 当たり前だけど、夜描くのが当たり前のリズムだと、夜予定や仕事が入っていると描けない。本当にやりたいことは、先にスケジュールを確保すべきだ。 決めて、事態を動かす。 デッサンも、人生もそれが大事なんだな。と、なんだか、うまいことを言ってしまった。

          描けなかった日の扱い方 | 毎日デッサンDAY6・DAY7

          求められていないことを、たんたんと | 毎日デッサンDAY5

          やると決まったら、あとはやるだけである。 やると決めても続けられない時がある。それは、自分自身がやることに本当に意味を感じられてないからである。 というのをまざまざと感じる。 5日目も、当たり前のように私はりんごを描き始める。 1日目と似た構図で描く。この数日でどれくらい変化があるのか、見たくなった。 仕上がりがこちら。 1日目がこう。 解像度が増している、という印象か? でも、全体の雰囲気は1日目の方が捉えられていた気がする。 細部を書き込もうとすると全体の

          求められていないことを、たんたんと | 毎日デッサンDAY5

          ひときわ疲れていた日の楽しいデッサン | 毎日デッサンDAY4

          4日目。特に疲れてた。  一年前に転職してから、プレゼンをすることが増えた。あがり症で、すらすら話せるタイプではない、と自己認識している。だけど昔から、人前で話すことに巡り合わす機会がちょこちょことある。 昔、私のプレゼンを聴いてくれていた人から「あなたは伝えたいことがある人だよね」と言われた。そうだろうか。でも言われてうれしかった言葉としてこうして執念深く憶えている。 しかし、やはり、プレゼンが続くと(それがどんなに小さいプレゼンであろうと)ドッと目に見えない疲労が溜

          ひときわ疲れていた日の楽しいデッサン | 毎日デッサンDAY4

          私が描けるようになるvsりんごが腐る|毎日デッサンDAY3

          デッサンを初めて3日目。 今日の仕上がりはこちら。 最初の二日間は朝起きてすぐに描いていたのですが今日は仕事のあとに。一日の終わりだといろいろと雑念が混じってしまう。「あれ、ああ話せばよかったな」とか「あの人こう言ってたな」とか「このあとあれやんなきゃ」とか。 おかげで散漫になっているような。輪郭が全然取れていないものな。 過去二日のデッサンを、友人のデザイナーに見てもらったら「もっと描き込める」「筆致を細かく」と言われたので、今日は描き込むことを意識してみた。昨日の

          私が描けるようになるvsりんごが腐る|毎日デッサンDAY3

          答えはすべて目の前にある(はず)|毎日デッサンDAY2

          私は毎日デッサンをするデザイナーです。 未経験から始めたデザインを仕事にして5年。普遍的なデザインの基礎力の磨きたいと言う私に「デッサンがいいよ」と教えてくれた先輩デザイナーの言葉を真に受けて、1回30分、1日1回以上は描いていきます。 詳しい経緯はこちら。 先入観による判断は私をゴールから遠ざける昨日と同じ轍は踏まないぞ。 思いつつも、まだ手が迷う。結局輪郭から描いていく。これでいいんだろうか。 今日は一番濃いところを、しっかり濃く塗る作戦でいく。朱が強く、陰にな

          答えはすべて目の前にある(はず)|毎日デッサンDAY2

          描きたいのに描けない|毎日デッサンDAY1

          私は毎日デッサンをするデザイナーです。 未経験から始めたデザインを仕事にして5年。 普遍的なデザインの基礎力の磨きたいと言う私に「デッサンがいいよ」と教えてくれた先輩デザイナーの言葉をまに受けて、1回30分、1日1回以上は描いていきます。 詳しい経緯はこちら。 目の前のりんごを、どう描いたらいいのかわからないデッサンなんて中学生くらいぶりだ。 まず、何から描き始めていいかわからない。描こうとしても描けない。りんごにならない。時間が過ぎていく。とりあえず輪郭をとってみ

          描きたいのに描けない|毎日デッサンDAY1

          今日から毎日、りんごを描くことにした

          今日から毎日、りんごをデッサンしていくことにした。 一回30分。鉛筆と消しゴムを使って、スケッチブックに描き出していく。それだけのこと。 とりあえず2週間、りんごを描いてみる。そのままりんごを描き続けるかもしれないし、別のものを描くかもしれない。 始めた理由は単純で、尊敬するデザイナーさんに「デッサンするといいよ」と奨められたからだ。りんごにしたのは「はじめはりんごがいいよ」と言われたからだ。 私は美大もデザインの専門学校も通らずにデザイナーになった。それでもなんとか

          今日から毎日、りんごを描くことにした

          すごくきれいに撮れたりするんじゃないカメラを買いました

          カメラを買いました。すごくきれいに撮れたりするんじゃない、2007年発売の、IXY DIGITAL 10というモデルです。 とはいえ十分すぎるくらい十分に撮れる、なんだかんだ力のあるカメラなのですが時折、ネオンの光も立体物もぺたっとさせてしまうようなところがあり、とても愛おしいです。 去年の暮れ頃から急に、カメラで撮るうれしさを味わいたくなって、2024年の大物買いはカメラかなあ、一眼かなあと思っていましたが、まさかのオールドコンデジ(という素敵なカテゴリ名があるらしい)

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          2023年をふりかえってみた

          年を越してしまう前に、2023年のふりかえりを書き残しておこう。 はじめだけど、まとめ 2023年はどんな年でしたか? と聞かれたら「好きな年でした」と答えたい。これまで29の年を過ごしてきたけど、その中でも好きな年だった。 ふりかえると抱きしめたいような感情がじゅわっと湧いてくる。 たくさん出会って抱きしめ合った コロナの雰囲気がすっかり晴れて、数年ぶりの再会や初めての出会いがたくさんあった。私は生粋の青森人で、もちろんハグという文化は持ち合わせていないので「抱き

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          自分が見知った世界のなんと当たり前でないことか

          大学時代のサークル仲間に、数年ぶりに会った。 結婚した人、家を買った人、子が生まれ親となった人、新卒で入社した企業にずっと勤めている人、転職した人、休職した人。 一つ一つの人生が、そこにはあった。 そのどれもが、私にとっては想像の外側にあるもので、一個一個できる限り大事に冷静に受けとめながらも、実のところガン、ガン、とハンマーで殴られるような衝撃を味わっていた。 あの頃、大学名やサークル名で括られ、一つのカテゴリとして扱われていた私たちは、もうとっくに、同じ属性にはい

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          無理をすることよりも大切なこと

          最近少し大人になり、無理をすることよりも、心が痩せないための選択をする方が、大切だと思えるようになった。 前者は自分のためで、後者は自分と他人のため。影響範囲は少なくとも2倍になる。なんてことを、ごく自然に思えるようになった。 今日、自分に失望することがあった。 ここ数年で「苦手」から「得意」まで引き上げた自負のあるスキルに、ざっくりと添削が入り赤字まみれになったのだった。 「赤字はプレゼントと思え」 「"別の環境では評価された"を持ち込まない」 心の中にスクラップ

          無理をすることよりも大切なこと