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キョーグルカズキと不思議なお爺さん
とある小さな村に住む元気な男の子、キョーグルカズキ。みんなは彼のことを山が大好きな男の子として認識しており、カズキくんと呼ばれ村のみんなにかわいがられていた。カズキは山登りが大好きで、休みの日は必ず山に登っていた。ある日、カズキはいつものように山に登っていると、不思議な老人に出会った。老人は、山道を歩くカズキを見つめ、にっこりと笑った。
カズキは老人の視線に気づき振り向いた。老人の不思議な雰囲気
【創作】猫糞(ねこばば)【短編小説】 (全6話) #1
帰りの会が終わり、和也はランドセルの中に教科書とノートを詰め込んだ。小学3年生にもなるとそれなりの量になる。忘れ物がないか確認して、ランドセルを背負う。すると2人の友人が和也に駆け寄ってきた。光男と純太だった。
「一緒に帰ろうぜ!」
「うん。帰ろう。」
光男と純太は小学1年生の時に知り合った。和也たちの学年は3クラスあった。3年生の時はみんな別のクラスだったのだが、3年生になってまた一緒のクラスに
【短編小説】消えた灯
消えた灯
序
六本木ヒルズの展望台から東京が見渡す。天気は良好だが、大きな入道雲が太陽を隠していた。
男はスマホを取り出すと、アドレス帳を開いて登録されている友人の連絡先をひとつ、またひとつと削除していった。
「さよならだ。」
男はそう呟くと六本木ヒルズの展望台を後にして、ゆっくりと歩き始めた。
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【創作】真夜中の家で鳴り響く音
宗平は夜中に目を覚ました。家の中で鳴り響く妙な音に気付いたからだ。まるで木魚のような音だった。どこから鳴っているのか、宗平は耳を澄ませた。音は一定の間隔で響き、やがて止んだ。宗平は不思議に思いながら、再び眠ろうとした。
しかし、しばらくするとまた音が始まった。今度はもっと大きく、もっと近くで。宗平はこの音が気になり、布団から出た。音は階段の方から聞こえてきた。宗平は懐中電灯を手に取り、音の源を探
【創作】とある男へのメッセージ
或る日の喫茶店で私は知人に喫茶店へ呼び出された。なんでも奇妙な手紙をもらったのだという。それを見てほしいと。呼び出された場所に付くと、テラス席に座っている知人が見えた。私に気が付いて、軽く手を振る。知人の名前はイトウという。
「急に悪いね。」
連絡がきたのはつい先日。こんなことを話せるのは君だけなんだと早口に捲し立ててきた。
私はテラス席に座り、店員にアイスコーヒーを注文した。店員が去るのを見とど