六本木で食事をした夜
六本木で彼と食事をしたのは、今日が始めてではなかった。ただ、今日がいつもと違うという感覚は、はっきりと感じていた。もちろん彼がそれを口にすることはなかったし、態度にはっきりとでていたわけではないけれど。お店の選び方がそうだといえば、客観的に見てもそうだろう。でも、それだけじゃない微妙なニュアンスを、何故だか感じ取っていた。
特別にしたかったのだろう。その思いははっきりと感じた。だからなのかわからないけれど、今日は土砂降り。私にとって大切な日がいつもそうであったように、冷たい