ADHDは環境しだいで現代社会の武器になる話
今回は教育分野にスポットを当てて情報の共有をしていきたいと思いますのでよろしくお願いします^ ^
今回は子育てする親御さんや教育現場に働く先生にも是非見ていただきたい内容です。テーマは『ADHD(注意欠陥・多動性障害)』です
ADHD(注意欠陥・多動性障害)は昨今においてもニュースで聞く場面が多くなってきました。
学校や教育現場では、生徒の一人が授業中に立ち歩いたり大声を出したりして落ち着きがない子が増えたという人もみえます。
もし、それが頻度や大きさが増してくるとそれに関する投薬をする程になるとも聞きます。
私は以前、精神障がい分野の就労施設にて働いてしました。もちろん診断名で言えば違いますが共通しているものもあると考えます。今回はその共通する点と武器になるであろう可能性についてまとめていきます。
1.共通点について考えてみる。
いまからの話は私の一個人の意見として見ていただければと思います。
専門的な知識でなく、経験上としての内容なので参考までにお願いします。
学生の前に所属していた施設では統合失調症,うつ病,知的障害,アスペルガー症候群で障がい手帳をもった人が利用していました。
そこでは、内職や飲食関係(うどんや弁当、パン)といった製造や接客などを通してその売り上げや市の援助などから利用者の方々にお給料として出されます。
一般就労を目指す方も見えるので決まった日に休まず来たり賃金を稼ぐことで経済的自立を目指す支援を行います。なのでグループホームなどもしていました。
生活も食事提供や部屋の掃除等も支援するので就労に集中する環境を提供し生活リズムを整え引きこもりにつながらないよう就労支援をする目的にもつながるわけです。
自分は社会人時代に生活支援員として内職の提供や弁当の箱折りなどを提供したり仕事内容を説明しながら一緒に作業してい
そこで苦労した点は、以下のようなことがあります。
季節の変わり目で気分が落ち込んでしまう利用者さんがいる。
必要以上に細かく工程を確認してしまい、目標の作業分が終了時間までに間に合わない。
投薬の作用や不眠などで作業中に眠気が起こったり集中力にムラが出てしまう。その影響で普段大丈夫な工程でも欠品やミスが多くなる。
気分の落ち込みで休みがちになる。(あくまで就労訓練の形態なので強制力はなく1週間休む人もいます)これはサボるというよりも週2でも一杯いっぱいになる人が頑張ろうとして毎日通所してその反動で引きこもってしまうということです。
作業量の差をみて「なんで私はこんなに多いのにあの子は少ないの?」と周囲と比較しがちになる。トラブルになることもあるので給料は作業量に応じて多くなり、病状や作業能力によっても違いがあり競争するものではないと説明している。
こういった施設での利用者様は自分の気持ちの調子に気づかない人もいます。なのでブレーキが効かないことがあります。
また、季節によって体調の変化があることや人との相性、無理のないように休みたいという人もいますが決まった日程を続けてこれるように気を配る必要がありました。
昔、「24時間戦えますか。」この言葉が流行ったのはバブル経済の真っただ中にあった1989年ごろだといわれています。
今でこそ就労形態も変化し当時のように休みなく働くことがむしろ美徳だと考えられることは減ってきていますが、ニュースでも過労死や自殺の報道はゼロになっていません。
日本人は特に働き者だと言われています。海外の就労形態では日本が週休二日制に対して週休3-4日の諸外国もあると聞きます。
きっと週休2日制の就労は今でも当たり前になっていますが、障がいを抱える人にとってきっと厳しい日程の設定であるかもしれません。性格的に真面目で作業能力も高く、記憶力もすごい。そんな人も継続的に出勤することが体調的に難しくなり、社会的適応力が平均的に違うだけで一般就労が厳しいという事例は自分も数多く見てきました。
話を本題に戻すと大きな組織に所属して真面目に働くのが常識とほとんどの人が考えられることでも、一歩道から外れれば冷たい目で見られたりその当人が適応することを強いられることが現実だと思います。
共通するのはそういった適応をするために自分の本来持っている考えやスタイルを押し殺す状況になりやすい点にあると考えます。
ただ、ここではそういった常識を否定するとか人権的にと討論するのでなく見方を変えれば大きな発明を生み出す天才になる可能性を秘めているかも知れないということを話していきます。
2、遺伝子的にみるとADHDはそうでない人に比べて、最も生存能力が高いという根拠
ADHDは現在、成人した大人にも落ち着きがなかったり適切な人間関係や距離感をとれない人もいることから子供だけに起こる話ではないと考えられています。
おそらくたいてい教育現場で抱くイメージには「落ち着きがない、集中力が続かない」といったネガティブな印象を与えることが多いのではないでしょうか?
以前の記事にも投稿したように睡眠といった生活リズムの観点でも有用なことは、運動を続けて前頭葉やドーパミンの分泌を活性化することで集中力やパフォーマンスは上がるとされてきています。
それなら「運動によって集中力を高めるならADHDの治療はできないの?」と考えた方もみえるはずです。
ある科学者のグループは17人のADHDの可能性があるとされた子供たちを対象に8週間にわたって授業が始まる前に心拍数が上がる程度の普段とは違う遊びをするようにした。
その後、集中力や協調性を調べる心理テストを受けた結果、3分の2を超える子供に集中力の改善が見られたのです。
また、行動の抑制が改善されたといいます。この項目はADHDで最も特徴的とされる些細なことに対しても衝動的な行動にならないようにするために自制することが苦手な点で有用だとしたのです。
この調査は小規模であります。しかし、別で行われた研究において200名規模にて類似した内容の調査を行った結果、ADHDの兆候を持つ子供に効果があったとされています。
運動をすることで集中力に対して変化の伸びしろが高いことがわかりました。それでは生存能力の観点から話をしていきます。
私たちは前文にもあるように注意力が極端に欠如したりADHDといった症状に対しては好ましくない特性だと考えがちですが、診断名が下る前にも印象が悪いことは確かです。
しかし、これらの特徴は視点を変えることで強みになるといいます。以下の内容について一緒に考えてみましょう。
「結果が出るのをじっと待つのが嫌いで、多くのことを成し遂げようとする。」また、成功したビジネスリーダーや起業家の多くにADHDの特性がみられることは稀ではない。
こう言った視点でみてみると所属する環境によっては必要な人材になると思います。
事例を挙げるとケニア北部の砂漠にあるアリアール族といわれる民族にはADHDが決して不必要でない特性だと教えてくれるのです。
この民族は何千年も前の暮らしのスタイルを変えずに水や肥料を求めて家畜を育て、移動する生活を続けている。しかし数十年前にこの部族は突然2つに分かれました。1つは定住を決めて農業を営んだのです。もう一つは以前と同じ暮らしを続けています。
このアリアール族の血液を採取して「DRD4」という遺伝子から一つの内容にいきつきました。全人類がこの遺伝子を保持しており集中力にはこれが欠かせないというのです。
DRD4にはいくつかのバリエーションが存在し、その一つのパターンがADHDに共通してみられたといいます。アリアール族の中にこのADHDの関与が高いパターンの人たちがいることが明らかになったのです。
それだけになく、その関連性の高いパターンを持つ遊牧民の方がそうでない遊牧民に比べて栄養状態が良かったというのです。
そこでわかることは、衝動性や他動性は迅速な決断が必要で活動的な環境で暮らす狩猟民族にとっては有利な点があるということです。対して農耕民族はすばやく行動する必要がなく長期的な目標と忍耐強さに長けた人が向いているということです。
しかし、冷静に考えると現代に求められているのは前者よりも後者が多い印象にあります。今では狩猟や歴史書にあるような大冒険をする必要がほとんどないからです。
しかし、これらについて知っておくと活躍の場やADHDとの共存において、もしかしたら前向きになる時代もそう遠くないかもしれません。
この情報を見れば自営業する人、社長になる人、人命救助する人、人に何かを教える人etc...
こういった分野で活躍できるのはきっと農耕的な人よりも断然に狩猟的な人だと思います。
なので、そういったことを理解につなげて伸ばせる土壌があればADHDの子供は間違いなく現代社会でも通用します。
しかし、大きな壁は日本は諸外国に比べて開業することよりも会社に所属してサラリーマンとして働くことが美徳だと考える民族性が高い傾向にあります。
教育でも学校の先生が一つでも社長になる方法なんて教えてくれるはずはありません。
ただ、誤解しないでいただきたいのはその教育内容やサラリーマンになることを批判するものではありません。
考えて欲しいのは、社会的集団に馴染めないなら自分が好きな集団を作る選択肢を提案したらその子たちは誰にも負けない個性を手にする可能性を秘めてるということです。
是非、私達大人がその道を無理に閉ざすことなく広げてあげることもあるよと一緒に考えられるような日がいつか訪れることを強く願ってます。
3、現在の情報量や刺激の量を数値化すれば誰もが適応するのに難しい話
ある専門家の話によると、今の情報やデジタル方式の中心の時代は人類が始まって2003年までの分量に相当する情報がたった2日で生み出されるといわれます。
そんな情報量や刺激になる環境があるのですから私たちの大きな進化を遂げない脳からすれば集中力が続かない事例が出るのも納得できます。
子供ならなおのこと情報を沢山吸収できる上にまだその使い方に慣れてないこともあるはずです。
そこで今、その情報を適切に選択して多くの集中力を得るのに必要なのは私たち現代人が不足しているといわれるある習慣を再認識する必要があります。
それが「運動」なのです。
アメリカの研究チームが国内の若者3200名を対象にして23年にわたる大規模な調査を行いました。
それは調査の実施する期間に若者が身体を動かした度合いやテレビ前で過ごした時間を記録します。そこで記憶力のテストや心理テスト、集中力、認知処理・思考の速度を調べました。
その結果、座りがちになった被験者がそういった知的能力が損なわれており、とりわけ座る時間が長く、1日3時間以上じっと座った人は惨憺たる結果だったとのことです。また、不安やうつの傾向も示唆されています
。
この情報だけで見ればADHDの特徴にある落ち着きのなさや衝動的に動くことは場所さえしっかり選べれば脳に良いと言うことが分かります。
情報によって様々ですが本文献においてはそういった能力の低下にならない為、以下にある内容の運動プランを推奨しています。
・筋トレよりも有酸素運動:これは身体に負担をかけるほど(心拍数を上げる負荷)ドーパミンやノルアドレナリンが多く分泌されるため
・理想の心拍数:最大心拍数(220から年齢を引いた数字)の70~75% 例:220-29の70~75%=約140回程度
・運動は朝が理想:集中力を高めるのは朝が最もいい。少し早い時間に起きて約30分を続けてみる。
・運動量はおもあれひとまず低強度でも習慣化してみる:改善効果を示すまでにしばらくかかり即時的な効果は示さない。継続していきましょう!!
4、まとめ
いかがでしたか?
今回は精神疾患とADHDの共通点、活躍できる環境の提案、やっぱり脳機能を高めるのは運動だよという内容で紹介しました。
どんなことであれ、情報の多い今は観察眼や勝負勘、環境の適応といった能力を身に着けるには多くの経験が必要ですし、何が正しくて何が間違ってるかなんて判断は難しいと思います。
しかし、とらえ方を変えれば周囲には否定的な反応をされる特性でも環境や意思を貫くことで輝く可能性は今の時代だからこそ発見できるヒントは数えきれないくらい埋もれていると考えます。
是非いろんな情報に出会って皆さんにあった自分探しのヒントを検索していただければと思います。
もし、少しでも自分の記事がお役に立てればと思いますので今後もできるだけ情報の共有をしていきますのでよろしくお願いします。
今日、参考にした書籍も良ければ是非ご覧下さい。
今回の発達障がいのことだけでなく脳機能についてもとても分かりやすく読むことができます。
参考にした書籍 ➀
「一流の頭脳」
著者:アンダース・ハンセン
訳者:御船 由美子
発行所:株式会社 サンマーク出版
発行年:2018年
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