白刃の女神(第七部 休息) 前編
今年の誕生日は人生で最悪だと思った。日付が変わって飛び
込んでくるのは友達のメールばかりだ。気の利かない友達は電
話をよこしたが、その後、何度問い合わせをしてもメールはこ
なかった。
結局、一時間経っても、愁は何ひとつ便りをよこさなかった。
私は腹がたって、あいつに電話してやろうかとも思ったのだが
覚えていなくて当然だとも思った。私は一度も愁に誕生日を教
えていないのだから。ただ一度、誕生日の日にクラスのみんな
が黒板にメッセージを書いてくれたことがあって、その当時、
同