「傾聴する」ということ

人は自分の好きなことや興味があることを話したくなるものだ。立場が上がると聞いてくれる人が増え、ベラベラ喋り倒す人はたくさんいる。聞いてくれている人は「傾聴」をしているのだ。

傾聴というのは本当に素晴らしいもので、いろんなものが解決する。

「傾聴」とは

耳を傾けて一心にきくこと。熱心にきくこと。

遮らない。別に聞いてなくていい。内容に「?」や全く理解できない、同意できないことがあっても、とりあえず遮らない。たまにでも目を見て、たまにフンフン、「なるほどー」とか言ってみる。

餅つきのつき手と返し手みたいにタイミングのいい相槌なら遮っても大丈夫だ。餅つきが難しければ、相手の目をみたり適当にフンフン言っていればいい。


「傾聴」に心はいらない

と、筆者は思う。熱心に聞かない、適当に流す。 最初から真面目に聞いてしまうと、まだまとまっていない支離滅裂な話にイライラするかもしれない。

「傾聴」では心を傾ける、と書いてあるけど、心を傾けるより強いて言うなら興味があるといい。内容に興味がなくても、何でこの人はこの話をしてきているのだろう、何を言いたくてこの話をしているのだろう、自分だったらどうするだろう、別のやり方もあるのではないだろうか、とか考えたりする。


「傾聴」中は何もしなくていいことがほとんど

話している人は何も求めていない事は多い。むしろ「傾聴」を求めている。傾聴しないなら、相手の求めていることをやっていないのだから相手は不服だ。


本人が本心からアドバイスを求めていたら応じる

それ以外はアドバイスやコメントはしない。本人が言って欲しい答えがありありとわかる場合は、適当にそれを言ってもいいが、わかならければ「傾聴」だけで合格点だ。


ある程度傾聴したら遮っていい

ある程度というのは数分でも10分でも30分でも、状況と関係性と内容による。解決を求めていないただのダラダラ話してるものなら、傾聴パフォーマンスのしてから遮って問題ない。大事なのは最初に否定せずに傾聴した、という事実

こちらが死んだ目をしながら適当にフンフン言ってるだけであることを気づかずに喋り続けている人には気遣い無用。そんな話はそれまでに誰もがもっと早く遮っているので、他の人よりも「傾聴パフォーマンス」をしていいれば勝手に「いい人」になる。


「傾聴」したくない相手/時はやんわり受け流す

そもそも「誰でもいいから」話したい人の話は、筆者なら聞かない。こういう人ほど断って問題ない。本人は"誰でもいい"から「話したいだけ」であり、話を聞いてくれない相手には用はなく次の相手を探すだけ。

どうやって受け流すか。なるべく会わないようにする。どうしても会わないといけない時は、他の用事がある前に少しだけ会う、用事を理由に退席できる。


相手が話すことでのメリット:情報

相手の状況がよくわかる。たくさん情報をくれるので、言語的、非言語的なことから、相手の考えていること、深層心理、望んでいるもの、多くのものがわかる。

何回も言っている事が、本人にとってウェイトが高いモノだ。「◯◯(何回も言っている事)って〇〇何ですね」とか相槌を打つだけでいい。そしてそれを覚えておいて、その後いつか話題に出すと、これまた話を覚えてくれていたことに喜ばれる。


相手が話すことでのメリット:気が済む、頭の整理

本人も頭の整理ができてない、感情的な状態である。水が入った入れ物が倒れたようなものだと思い、勢いが落ち着くまで傾聴。この状態で何をコメントしようが意味がないし、正しいコメントに対して逆ギレされても困る。

水の流速が落ち着いてきた頃、頭の中の情報は出尽くし本人は徐々に頭の整理をすることができる。自分の意思で言葉にすることで、自覚したり客観視が進む。


相手が話すことでのメリット:親近感

人はたくさん話した相手に対し勝手に親近感を抱く。こちらは何一つしていなくても、適当な相槌だけでもいい。何なら冒頭で正論や本当にタメになる助言をしてくれた人よりも、「傾聴」者は親近感を抱かれることが多い。


否定しないで否定ができる、それが傾聴

何か否定的なコメントをするなら、傾聴の後の方が有効だ。傾聴ということで受け入れられている、と相手は認識する。

同じ意見やアドバイスを返すにも、傾聴の前か後かで受け取られ方が全く異なる。もちろん後だと否定的な内容であっても相手は「否定」と捉えにくい。だって、自分を受け止めてくれた相手だから。「否定」と捉えた人とは一旦距離をとっておこう。今は何を言っても無駄だ。


まとめ

中学二年生の時に部長をやり、部活の愚痴を部員以外の友達に話していた。これはただ聞いてもらいたく、少し喋れば気が済むようなものだった。ある時友達が「自分に言わないで本人に言って」と。

友達に悪かったと思ったし、これからはそういう類での愚痴を言うのは相手と説明の仕方をよく選ぶし、何よりも「今後は自分は人から愚痴でも何でも言われたらまず聞こう、絶対に拒絶/拒否するのは一切やめよう」と心に誓った。

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