ペンダント - 宇宙から来た少年
乱立するビル群が影絵のように地平線に沿って張り付ていた。小高い丘の上に立ち並ぶ住宅街から眺める光景はいつも幻想的だった。
太陽は完全に沈み切っていた。しかしその名残のせいで、影絵の輪郭はまだオレンジ色の層に覆われていたが、上層へ行くほどに淡い水色からダークブルーへとグラデーションを強めていた。
グラデーションの境目で少し赤みを帯びた金星の輝きが増してきた。
太陽が見えなくなると急激に冷え込んでくるのが分かった。
少年はリュックに入っていたフィールドブランケットを取り出し、マン