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また1週間が始まる……。「月曜日の憂鬱」をのりこえる方法、コラムニスト11人にきいてみた

月曜の朝って、しんどい……。月曜日の朝は、しんどい……。おそらく、多くの人が「月曜日の憂鬱」を感じるのではないでしょうか?

そんな「月曜日の憂鬱」をのりこえる方法を、サイボウズ式コラムニスト11名にきいてみました。のりこえ方は、100人100通り。あなたはどれを試したいですか?


自分好みの気分転換をする

まずは、「自分好みの気分転換をする」派のみなさまです。

「苦しい時は笑えばええ」とサウロは言った

SNS界でファンも多く、本業では出版社メディアの編集長を務めるたらればさん。

【たられば】
小学校の頃から週刊少年ジャンプが好きで、月曜日の憂鬱はジャンプの発売日とともに乗り越えてきた気がします。そんなジャンプの代表的作品『ONE PIECE』(尾田栄一郎著)で一番好きなキャラクターは、「エニエス・ロビー編」(41巻)に出てくるサウロです。

「知識」に対する敬意を持つ彼は、周囲から「笑い方が下手だ」と言われながらも、自分の哲学と笑い方を誰かへ教えることを厭いません。きっと、人生はつらく厳しく苦しく、それでも笑うことで、そんな人生と和解しやすくなることを知っているからだと思っています。

下手でも苦しくても、楽しいことを思い返すことさえできなくても、口角を上げて声を出して、次の日曜日まで時間を稼ぎましょう。デレシ。

元気を耳から注入!人生のBGMを強制チェンジ

ライターとして、各種ウェブメディアで執筆活動を行うりょかちさん。

【りょかち】
耳から気分転換するタイプなので、元気の出るプレイリストを作って長めに仕事開始までの時間を取って、思いっきり音楽を聞いています。元気を耳に流し込むイメージ。

よく聞いている自作プレイリストのタイトルは「世界を救ってる気になってくるBGM」(笑)。さらに元気のない時はBUMPの『ホリデイ』やAgustDの『People』などお気に入りの曲も聞きます。

ちなみに友人は、憂鬱な気分になった時のために「強い女」というプレイリストを作っていて、私にもシェアしてもらっています。見た目から入るタイプならぬ、毎日の気分はBGMから入る! 月曜の朝に流れているBGMが変わると、目の前の景色も少し変わって見える、はず。

「テンプテーション・バンドリング」を活かす

サイボウズ式のグローバルメディア『Kintopia』編集長のアレックスさん。

【アレックス】
心理学から学んだ「テンプテーション・バンドリング」というメソッドを活かすと、なんとなく「月曜日の憂鬱なきもち」を乗り越えられるとおもいます。

「テンプテーション・バンドリング」とは、やる気がないけどやるべきことと、テンプテーション(誘惑)をバンドリングする(まとめる)ことです。

月曜日のモチベーションって、そこまで高くないのは間違いないですね。なので、月曜日に仕事と関係ない娯楽を予定にいれます。自分の場合だと、ボイストレーニングとか、夜に友達とのオンラインゲームとか、自分の大好きな不健康な料理を食べるなどの予定をいれます!

大事なポイントは、他の日と同じ娯楽をなるべくしないこと。月曜日だからこそ、ボイトレがあって、夜中1時までゲームしても良くて、ダブルチーズバーガーを食べられるんです。

そうすると、仕事が楽しみじゃなくても、仕事以外の楽しみをたくさん持つことができますので、月曜日がバランスのいい一日になり、憂鬱なきもちを避けられるとおもいます。

月曜という概念を捉え直す

次は、「月曜という概念を捉え直す」派のみなさまです。

とりあえず1週間の予定を立ててみる

「脱社畜ブログ」の管理人であり、日本人の働き方について発信し続けている日野瑛太郎さん。

【日野瑛太郎】
月曜日が憂鬱な気持ち、とてもよくわかります。僕も昔は日曜日の夕方ぐらいからそわそわし始めて、寝る頃にはもうすっかり暗い気持ちになっていました。

その対処法として僕がおすすめしたいのは、どんなに気が進まなくても、とりあえず1週間の仕事の予定を立ててみることです。

人間は、先が見えない曖昧な状態を一番ストレスに感じます。「また明日から仕事だ。嫌だなあ」と漠然と感じているうちは、まだ具体的になにが嫌なのか、見えてすらいないことがほとんどです。

ここで少しだけ頑張って、とりあえず1週間の予定を立ててみると、それだけで少し気が楽になるものです。

もちろん、この方法は万能ではありません。本当にその週の仕事が大変そうなら、事前に周囲に助けを求めたりできるといいですね。

月曜日を意識しすぎなんじゃないか問題

報道機関に勤務しながら、フリーライターとして活動する朽木誠一郎さん。

【朽木誠一郎】
私たちって、「月曜日」の存在を、必要以上に大きくしているんじゃないかと思うんです。

なんで月曜日が憂鬱かと言えば、休みが終わってしまって、やらなきゃいけないことがたくさんあって……というあたりでしょうか。でも、もうちょっと相手をよく見てみませんか。

もっと休みがほしいなら、例えば今月中にどこかで年休消化できないかなとか。月曜日が忙しすぎるなら、タスクを週でならせないかなとか。

落ち着いてみても「無理ゲー」なら、まずするべきは、上司への相談です。今は頑張りどきだと励まされるかもしれないし、業務量が見直されるかもしれません。

いずれにせよ大事なのは、憂鬱になるような仕事の状況が一時的なもので、いずれ改善される目処が立つこと

逆に、「無理ゲー」がこれまでもこれからも続くなら、その環境はいわゆるブラックなんじゃないでしょうか。真っ向勝負せずに、さっさと逃げちゃいましょう。

「7日で1サイクル」と考えるのをやめてみる

フリーランスの編集者・ライターとして活動する、あかしゆかさん。

【あかしゆか】
「週に5日は頑張る日」で、「2日は休む日」とガッチリ決めていると、やっぱり「頑張る日」のはじまりである月曜日には気合いが必要になって、時と場合によっては憂鬱な気持ちになってしまう。

私は2年半前、会社員からフリーランスになった瞬間に、1週間という概念が薄れて月曜日が憂鬱ではなくなった。もしかすると、「7日で1サイクル」と考えるから、しんどくなるのかも……?

会社員だとなかなか難しいかもしれないけれど、たとえば毎日の終わりにとっておきのご褒美を用意して「1日ごと」で感覚を区切るとか、毎週水曜日はゆるやかに働く、と決めてみるとか。

「7日で1サイクル」という思考から抜け出すためのアイデアがあると、月曜日の憂鬱も、軽くなるのかもしれません。

働き方や、きもちの持ち方で工夫する

続いて、「働き方や、きもちの持ち方で工夫する」派のみなさまです。

「ワーク・ライフ・ブレンド」で生きるように働く

SmartHRでディレクターをしながら、はてなブロガーとして活動するはせおやさいさん。

【はせおやさい】
憂鬱な月曜の朝をどう迎えるか、というのは長年の悩みでした。でも子供を産んで転職をし、フルフレックスで働くようになってみると、仕事と人生を分けて考えるのはとても無理!となり、一度ぜんぶを混ぜてみようと決意

仕事の合間に子供を迎えに行き、子供と遊ぶ合間に浮かんだアイデアをSlackへ投稿する。人生のすべてが仕事の役に立つし、仕事で得た知識は人生に活きる。

わたしにとって、「働くこと」と「生きること」は近い場所にあるのだと実感できてからは、この2つを分けて考えることをやめました。それぞれに取り組む時間の比重が変わるのが週末、というとらえ方で働くようになり、憂鬱な月曜からは少し縁遠くなったかもしれません。

月曜日。スタートできただけで、あなたは優勝

元コピーライターで、現在は事業開発に取り組んでいるいぬじんさん。

【いぬじん】
月曜日が憂鬱だと感じるのは、あなたがとてもちゃんとした人だからです。

あれもしなきゃ、これもしなきゃといろんなことに考えを巡らすことができる、先を読む力と責任感を兼ね備えている人だからです。

だからつい、月曜日からパワー全開でなにもかもを完璧にやっていかなきゃ! と思ってしまって余計にイヤになってしまうのかもしれません。

でも大丈夫。月曜日っていうのは、そうやってテキパキと物事を進めるのには向いてないんです。だって月曜日なんだもん。

ぼくも、ちぇっとか、あーあとか、めんどくせーとか言いながら、とりあえず思いついたことから手をつけて、えらいえらいとすぐに自分をほめてあげることにしています。それが月曜日にぼくらがやることの全てだからです。

ほんの一歩を踏み出せたら、もうその時点であなたは優勝です。他は何もいらない。今週も無事にスタートできたことをお祝いしましょう。

“気分”を優先し、自分を甘やかす時間を

フリーランスで編集・執筆を行っている、徳瑠里香さん。

【徳瑠里香】
近頃のわたしは、自分にも人にもとことん甘いです。無理をしなきゃいけないときに本領発揮するためにも、普段は「無理をしないように」しています

週末は基本仕事はしないで、とことん遊んでちゃんと休む。休むことを忘れがちなので、サウナに行って心身をととのえています。

平日は夜9時頃に寝て朝4時頃に起きる魚河岸(うおがし)生活スタイルなので、家族が目覚めるまでの時間は、半身浴や読書、Netflix、考え事など、その日その時の“気分”を優先して自分を甘やかしています。

仕事を始める前には、珈琲を淹れてスイッチをON。ランチは食欲に耳を澄ませて満たし、おやつも食べます。1日、1週間、1ヶ月のToDoリストを手帳に書き出しているのですが、クリアしたら、映画を観たり友人とお茶したり、遊んでよしとしています。ね、甘いでしょう?

月曜日が憂鬱になったことがない

ここまで「月曜日の憂鬱」をのりこえる方法をご紹介してきましたが、もしかすると「月曜日が憂鬱になったことがない」という方もいるかもしれません。 最後に、そんな「月曜日が憂鬱になったことがない」派のみなさまをご紹介します。

ワークとライフのバランスをとらない

新潟でNPO法人しごとのみらいを経営しながら、サイボウズで複業している、サイボウズ式編集部の竹内義晴さん。

【竹内義晴】
「月曜日の憂鬱なきもち」というお題に対し、「そういえば、月曜日だからといって憂鬱な気持ちにならないかも」というのが、最初に抱いた正直な気持ちでした。

なぜだろう?……わかりました! ボクの場合、複業しているためか、ワークとライフの境があまりない。だから「あぁ、明日は仕事かぁ」と憂鬱な気持ちになりにくいのだと気づきました。

ひょっとしたら、ワークとライフをきっちりと分けて、バランスを取ろうとするほど、月曜日が憂鬱になるのかもしれません。

だからといって、「休みなく仕事をせよ」と言いたいわけではもちろんありません。仕事に対する捉え方を「仕事のための生活や人生」ではなく、「生活や人生のための仕事」にする。仕事を人生の一部ととらえて、働き方を自由に選択してみる。あえて「バランスを取らない」のも、憂鬱な月曜日を減らす1つの方法かもしれません。

「1週間のしおり」にテンション(張り)をかけてくれる存在

ブロガーであり、週末コラムニストの桐谷ヨウさん。

【桐谷ヨウ】
僕は月曜日に憂鬱なきもちになったことがありません。だから、この企画で書くのが適切かはわからないのですが、どうしてならないのか気持ちを探ってみました。

どうやら自分は、自由すぎるとダメになってしまう人間という自覚があるようです。自堕落な大学時代、フリーランス時代と、「予定に空き」があるととことんまで時間を浪費しまくり、昼夜逆転して生活習慣を狂わせていました。

ぼくの経験上、1週間の予定はギチギチでも、空白すぎても、どっちも良くない。月曜日があることで、「1週間のしおり」にほどよくテンション(張り)がかかる。そんな状態が、ぼくにとってはちょうどいいのかもしれません。

もちろん「空白」は必要だけど、ある程度は強制的に予定が埋まっている方がいい。「旅のしおり」のようなものです。

月曜日が憂鬱になる人は、自他の理由で「空白」を作ることができなくて、憂鬱になっているのかもしれません。少しでも参考になると嬉しいです。

※この記事は、サイボウズ式の記事として2022年12月18日に公開されたものです。