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ギリシャ古典悲劇の神髄にうたれる「赤い髪の女」

<文学(12歩目)>
東西文化の交錯点のイスタンブールから、ギリシャとイスラムの古典悲劇の神髄に打たれる。

赤い髪の女
オルハン パムク (著), 宮下 遼 (翻訳)
早川書房

「12歩目」はトルコのイスタンブール郊外を舞台にした「ギリシャ悲劇的」「イスラム悲劇的」な作品。

オルハン・パムクさんは、トルコを代表する作家(ノーベル文学賞受賞)の一人です。

他の作品にガツーンとやられて、一気読みしました。

現代的なアップテンポな作品ながら、とても巧みに古典悲劇の世界が広がっていることが特徴です。

2000年も読み継がれている「古典悲劇」の世界って、「感動の方程式」が確立されているようです。「古典悲劇」の世界と現代社会では、「科学」の進歩により舞台は大きく変わっています。

しかし、人間の「こころ」は2000年前とあまり変わらないようです。まるで、集英社の「少年ジャンプ」の勝利の方程式(友情・努力・勝利)」の様に、読む人間の感情に訴えるものあり。

これは、世界的なベストセラーで娘と読んだ「ハリーポッター」(ファンタジー)もきちんと押さえている。

しかし、現代小説に安直に使うと「匂ってしまう」(安直になりすぎ)ことが難点です。

ここが極めてテクニカルに散りばめられていて、オルハン・パムクさん「いいね!」でした。

真にすごい才能ってこういう人のことを言うんだ。。。と感じた作品です。
軽く読める作品ですが、かなりイカしています。そして、家族で読んでも話題になる作品です。

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