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登場人物が息づいている「すべての見えない光」

<文学(130歩目)>
すべての登場人物が息づいている。そして密接に関係しながら、大きな物語を完成させている。

すべての見えない光
アンソニー・ドーア (著), 藤井 光 (翻訳)
新潮社

「130歩目」は、アンソニー・ドーアさんの登場人物が息づいている作品。

作中の人物であることが前提なのですが、ドーアさんのイメージが細かな展開にも無駄なく生かされていて、読書中に二人の人生に思いが飛んでしまった。

短篇小説家と言われていたそうですが、この長編は私の時間を確実に占有しました。

細やかなまなざしが感じられる作品で、戦争が題材ですが、些細な「強さ」「迷い」と「成長」が物語に深みを与えています。

そして視覚障害の少女を描く中で、「本質を見る」ことと、それを表現することのすごさを感じました。

フィクションの力を強く感じる作品です。

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