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人間心理の奥底「その昔、N市では」

<文学(90歩目)>
ドイツを代表する女性作家から、「人間心理」の奥底を学ぶ。

その昔、N市では
マリー・ルイーゼ・カシュニッツ (著), 酒寄 進一 (翻訳)
東京創元社

「90歩目」は戦後ドイツを代表するマリー・ルイーゼ・カシュニッツさんから「人間の負の心理」を学び、「愛(love)」の大切さを理解する作品です。

とても薄い書籍に収められた15の短篇。軽く「読める」と思ったのですが、1つ1つの作品は「濃い」。

短篇集なのですが、どれも研ぎ澄まされたもので、人間を知るために必要なものが収められていました。
思わず、家族で読んでみました。

15篇は、幻想文学、文学、SF等々の手法を取って、読者の心に強い印象を残します。

何故か、心に澱を残したのは「ルピナス」でした。
どうも、以前に読んだフェルディナント・フォン・シーラッハさんの作品に近似な「日常」から「究極」へのご招待。これが率直な読後感です。

15篇ともに「愛(love)」の大切さが心に突く作品です。

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