毛沢東の失政から学ぶことは多い「四書」
<文学(11歩目)>
文化大革命前後の中国の農村から、歴史を学ぶ。
四書
閻 連科 (著), 桑島 道夫 (翻訳)
岩波書店
「11歩目」は中華人民共和国の「毛沢東の失政」にかかわる作品。
この作品は、ちょっとおどろしい表紙に躊躇していて、友人のおススメでなければ、確実にスルーしていたと思われる作品です(表紙がおどろおどろしいので、手に取らなかった!)。
しかし、読んで「ガツーン」と来た。まさに中国の強い酒を一気飲みした感覚です。
閻 連科さんがノーベル文学賞候補というのもうなずけますし、心から獲得してもらいたいと日本人としても痛切に思います。
この「大躍進政策」の失敗は中国近代史の暗部でもあり、タブーなのですが、その背景がよく理解できる作品だと思います。
いわゆる「黒歴史」とは、「従順なテクノクラートが大勢いるところで発生」する。
うん、日本の多くの企業でも「大躍進政策」に近いものが推進されたことを見ている自分自身としては、「あ~あるなぁ」と痛切に感じました。
この作品は直接的には中国共産党を批判した作品ですが、同じようなことは人類の歴史で往々にしておきています。人間が決めることですから、何時でも「間違い」はある。
でも「間違い」を認めることが出来ずに、「権威主義」で強く推進すると、21世紀にも起こる。これをわずかに止める力を持つものは「愛(love)」だと感じました。
「成功事例」に酔いがちな人類へのアンチテーゼだと思いました。
この作品はグレートです!
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