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抑圧された人間が解放されると大混乱になる「太陽が死んだ日」

<文学(154歩目)>
人間の本質が露わになった作品「太陽が死んだ日」から、何も抑圧が無い時に何が起きるのかを考える。

太陽が死んだ日
閻 連科 (著), 泉 京鹿 (翻訳), 谷川 毅 (翻訳)
河出書房新社

「154歩目」は、中国で「禁書」扱いですが、このブラックさは中国固有のものではなく、人類に共通すること。

閻連科さんは、何も制限なく、やりたいことが出来るということは、隠し持っていた深い罪悪感が曝け出されることを伝えたいのだと思います。

それにしても筆力が凄まじい。この人間の本質を「夢遊病」として示すのですが、「夢遊病」のあまりのブラックさに衝撃が走りました。
表紙がおどろおどろしいのですが、作品も表紙なんか超越するくらいおどろおどろしい。

「マジックリアリズム」と単純に分類できないくらい、濃い作品です。

閻連科さんの作品を、この「太陽が死んだ日」からスタートすると、読み進められなくなる。他の代表的な作品からスタートして、最難易度の作品として残しておくことをお勧めします。

私は、実はこの作品を最初に手に取りましたが、まずは「挫折」しました。
その後、「四書」を勧められてから、読んで感動。
全作品を読み進めて、最後に残した作品として再トライしました。

それでも、かなりキツイ作品です。
最後までたどり着いて、「マジックリアリズム」の代表作と感じました。
閻連科さんの作品の中でも、最も濃い作品の一つです。

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