
愛のあり方はそれぞれ「日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙」
<SF(233歩目)>
伴名練さんのセレクトがいい。出会えていなかった作品が多く、目が広がった。
日本SFの臨界点[恋愛篇] 死んだ恋人からの手紙
伴名 練 (編集), れおえん (イラスト)
早川書房
「233歩目」は伴名練さんの「日本SFの臨界点」シリーズから。
伴名練さんのSF愛溢れる作品集です。
そして「愛のあり方はそれぞれ」なので、いろいろなテイストの作品が宝石箱の様に散りばめられていて、いい時間を過ごすことができます。
私も「愛(Love)」があふれる作品は大好きですが、更に伴名練さんセレクトなので、素晴らしい作品ばかりです。伴名練さんが選ぶにあたっての「熱意」が伝わる作品集(結構、いぶし銀的な作品も多い)です。
「ムーンシャイン 円城塔」
一番ハードな作品です。
結構、この作品だけでも必読ですが、周囲に聞くと「ハード過ぎ」とのこと。どうも、一般的な読者好きには円城塔さんのSFは、かなり難しいとのことです。
この作品は素晴らしい感動ありで、とても深いです。
「奇跡の石 藤田雅矢」
ファンタジー系です。そして物語がとてもいい。
舞台はまだ東西冷戦時代のソ連があった時代の共産圏。「超能力者研究」にソ連テイストの作品かと思うと、優しく切ない作品で、子供たちと読みたいと思いました。
この藤田雅矢さんの作品をしばらく追っていきたい。
「生まれくる者、死にゆく者 和田毅」
「家族愛」の作品で、和田毅さんのさりげなさが光る。私にとっては伴名練さんの選で初めて出会えた。同じく追っていきたい。
「G線上のアリア 高野史緒」
高野さんの作品はいつもながら、時代考証が素晴らしくSF作品であり、素晴らしい文学作品でもある。
「G線上のアリア」を「ギガバイトの数字列の上で」とする素晴らしい感覚に脱帽しました。
「月を買った御婦人 新城カズマ」
新城カズマさんの歴史改変もの。これもまたよかった。
偽史なのですが、どんどんこの世界に引き込まれていく。
とてもよかった。
イイ感じの作品の詰め合わせでした。
伴名練さんの「日本SFの臨界点」シリーズ
#宇宙SF #SF小説が好き #日本SFの臨界点 #恋愛篇 #死んだ恋人からの手紙 #伴名練 #れおえん #早川書房 #中井紀夫 #死んだ恋人からの手紙 #藤田雅矢 #奇跡の石 #和田毅 #生まれくる者死にゆく者 #大樹連司 #劇画・セカイ系 #高野史緒 #G線上のアリア #扇智史 #アトラクタの奏でる音楽 #小田雅久仁 #人生信号待ち #円城塔 #ムーンシャイン #新城カズマ #月を買った御婦人 #SF #SF #文芸 #小説