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おいおい、俳優Pが一番キャラが立っているぞ「タワー」

<SF(183歩目)>
不思議な世界観の中での連作。いつの間にか、引き込まれてしまっていた。俳優P、あるいは犬のP。久しぶりにキャラが立っている登場人物だと感じました。

タワー
ペ・ミョンフン (著), 斎藤 真理子 (翻訳)
河出書房新社

「183歩目」は、韓国のペ・ミョンフンさんの突き抜けた作品。地上674階、50万人の人間が集まっているタワーであり、独立国家でもある「ビーンスターク」。

この連作集は、同じ世界観である独立国家のような「ビーンスターク」を舞台にした連作で、前半の「タクラマカン配達事故」までと、「エレベーター機動演習以降の後半が全く違うイメージ。

私は前半の3作品と、最後の「シャリーアにかなうもの」が刺さりました。

独特の世界観に引き込まれるのが、「東方の三博士―犬入りバージョン」「自然礼賛」「タクラマカン配達事故」。友人のお勧めの「タクラマカン配達事故」は「いいね!」と思いました。

ここから後半に移ると、作風は大きく変わり戸惑いました。
「エレベーター機動演習」はテロリストの葛藤が。
ここに混乱ありで、私の頭も混乱してしまった。

最初に出てきた俳優、あるいはキャラが立った「犬のP」は、「内面表出演技にたけた俳優Pのいかれたインタビュー」で引き取られる。

とても斬新、面白いが「タワー」の世界観は韓国なのか?北朝鮮なのか?
どちらにもとれるが、ここに私の読みの浅さを突かれた気分。

前半の文学テイストが、後半はハチャメチャに走り去る感じ。
色々なテイストが詰め込まれていて、一筋縄ではいかない。

「タクラマカン配達事故」はテクノロジーが世界を変える観あるも、その他の作品では逆の立場もあり。

ちょっと1回だけでは、理解しきれないかも。

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