ドイツ発の心をうつミステリー「沈黙を破る者」
<文学(77歩目)>
またメヒティルト・ボルマンさんの「人間」にかかわる目を見たくて読んでみた。
ちょっとマイナーなドイツのミステリー文学。しかし、人間を見つめる姿勢が確かです。
沈黙を破る者
メヒティルト ボルマン (著), Mechtild Borrmann (原名), 赤坂 桃子 (翻訳)
河出書房新社
「77歩目」はドイツのメヒティルト・ボルマンさんの単なるミステリーではない、ノー天気な心にも深く刺さる作品。うなった。
この本は「希望のかたわれ 河出書房新社」の読後感にしびれて、思わず読んだ作品。うん。メヒティルト・ボルマンさんはイケている。
ドイツらしく、ナチスの色濃い作品なのだが、平時ならば「青春もの」の作品になる設定。しかし、戦争の不条理から深いミステリー作品に昇華している。
※例えると、次代が違うと「フレンズ(アメリカの人気テレビドラム)」になる設定とも思いました。
フェルディナント・フォン・シーラッハやティムール・ヴェルメシュの作品にも似る読後感。
ちょっと単純なハッピーエンドではないのですが、うなってしまう作品です。
おそらく、「事実は小説より奇なり」であり、この様なことって沢山あって、多くの人生が戦争により狂わされたのだと思う。
読み始めて、思考を中断されたくなくなり、何時の間にか乗り越ししてしまった。
「愛(love)」って一方的だとうまくいかない。でも、概ね多くの「愛(love)」は一方的なんだよね。。。
と片思いの経験の多い爺さんなりに感じてしまいました。
マイナーに見えておススメです。また、赤坂桃子さんという翻訳者はうまい。作家とは別に、翻訳者も素晴らしい。
「いいね!」です。
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