イスラエルから、「愛」のかたちを学ぶ「首相が撃たれた日に」
<文学(4歩目)>
様々な「愛(love)」とは言うものの、日本からは容易に想像できない場所での「愛(love)」を考えてみる。
首相が撃たれた日に
ウズィ・ヴァイル (著), 母袋 夏生 (翻訳), 広岡 杏子 (翻訳), 波多野 苗子 (翻訳)
河出書房新社
「4歩目」は昨年の日本での出来事ではありません。
あまり馴染みの薄いイスラエルの人気作家のウズィ・ヴァイルさんの短篇集です。
短篇の中でも、特に「もうひとつのラブストーリー」「で、あんたは死ね」(題名は、??と思いますが素晴らしい。)は小品ながら、まさに必読レベルです。
「もうひとつのラブストーリー」
ドイツの作家のティムール・ヴェルメシュが「帰ってきたヒトラー」(河出文庫)で踏み込んだドイツの最大のタブーであるアドルフ・ヒトラーへの踏み込みを軽く超えた最大のタブーでもあるアドルフ・ヒトラーとアンネ・フランクがAIで復活して。。。
おそらく、イスラエルでも絶対タブーだと思うのですが、切れ味とまとめ方が秀逸でとても考えさせられる作品に昇華しています。
「で、あんたは死ね」
ちょっと物騒な題名です。なんかこんなことを言われた経験あります。(笑)
読むと遠距離恋愛をしていた数十年前を思い出してしまいました。
今では、IT革命の各種ツールにより遠距離恋愛の障害はかなり減少している。
しかし、ある条件が重なると現代社会でも厳しい障害になり、心の葛藤を含めて作品になることが理解出来ました。
日本よりも数段未来にいっているイスラエルのIT事情から、これからの「愛」がどの様に変わっていくのか?を考えさせられる作品です。
#読書感想文 #ウズィ・ヴァイル #イスラエル #パレスチナ #格差問題 #貧困問題 #河出書房新社 #推薦図書 #わたしの本棚 #首相が撃たれた日に #文芸 #小説 #ヴァイル #母袋夏生 #広岡杏子 #波多野苗子