VRの世界から真犯人を追う「明日と明日」
<SF(51歩目)>
ちょっと無い、VR世界から殺人事件の犯人を追う作品です。
明日と明日
トマス スウェターリッチ (著), 日暮 雅通 (翻訳)
早川書房
「51歩目」はトマス・スウェターリッチさんの翻訳された唯一の作品。ノーガードで読みましたが、驚く事になかなかイケています。
設定は、テロリストが手提げ核爆弾でピッツバーグを吹っ飛ばした後の世界。ピッツバーグにいた人々は消失しています。
しかし、日本でも現在増えていますが「監視カメラ」により消失した街がそのままデジタルアーカイブズに保存されていて、故人の家族は愛する人をうしなったPTSDを緩和するために、過去の幸福な時代を追体験できる様になっている。
この設定が、最初の数ページで説明されているが、これは「クール」と思った。
しかし、現在の監視カメラの問題点もそのまま浮き彫りになる。
テクノロジーがプライバシーを超えていくとどうなるか?これの解が描かれている。
辛い経験をしている主人公に普通以上に感情移入した。どんな理由でも、「愛(love)」を消失させる核テロは恐ろしいが、そんなことも危惧しないといけない時代にすぐなりそうで心配。
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