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詩「ここから見る景色」


知らない間に
また空が高くなっていた
決して
季節のせいではなく
頭の片隅で
ひっそりと孤空を描いて
緩やかに落ちている事に
気が付いている

私が根をあげるのと
あの人が闇になるのが
どちらが先か
人生は行く先が分からない
(ここが底かも分からない。)

積み重ねてきた
ささやかなしあわせを
他の人の手で
いとも簡単に崩される
乱暴に
力づくで
(地上の権利は あってないような薄いもの。)

近代の果て 辿り着いた
安いベニヤ板で簡単に描かれた一枚の絵
釘で打ちつけもせずに
立て掛けていただけだった
簡単に どこかに行ってしまうものに
しがみついていた
いつか
踏みつけられるとも知らずに

明日は見たことのない景色が
私を迎えに来る
流れに逆らわずとも受け入れる
(非常に狭い視野で。)
上下左右も分からないのに…
引き攣った
この笑顔だけを貼り付けて

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