詩「月が雲の瞳になった夜」
月は 私の乾いた背後にいた
闇は 全てを隠してくれる
崩れ落ちそうな脆い心も
消えてくれはしない過去も
過ちは夜が覆う
人は その隙間に住まう
そうして世界の均衡を保つ
あらゆる種類の黒が蠢く
夜が一層深くなる
私の肩に視線が刺さる
今まで感じた事のない痛みが跳ねる
月は
正しい者には優しく導き
罪を犯した者は逃しはしない
夜の瞳を光らせる
私の心までを深く照らす
本当は探していたのかもしれない
私を…
黒く染め上げてしまった輪廻
もう 私を逃さない…
月が雲の瞳になった夜