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Photo by
hamahouse
詩「共鳴」
あの日
私が感じた傷みは
いつかの誰かが受ける傷
ニュースで報じられた
悲惨な事件は
分岐した透明な私が
体験したかもしれない恐ろしい結末
私達は決してバラバラでは無い
生命の源を通じて繋がって居るのだ
遥か昔から…
あなたが吐きそうになった夜
私の一部も どうしようも無く欠けていく
私が眠れなかった夜
あなた方の誰かが毛布を頭に被り震えている
未だかつて
無傷でゴールに辿り着いた仲間を
私は知らない
私達は泣いて居るのです
産まれた瞬間から ずっと
私達は震えて居るのです
幼い頃から ずっと
そうして
何人かの仲間は
言葉を失い
月が隠れた晩に
石像となった
そこからが違う人生のはじまりで
動き出す度に鋭い痛みが身体を走る
誰かの悲しみを掬い上げ
自分の傷として
紙に綴る
私の傷跡を目にした誰かが
足を踏ん張り 立ち上がり芸術に昇華する
それを目にした誰かが
涙を流す
その涙が何処かに辿り着き
誰かの乾ききった心を潤す
癒えない悲しみで響きあう
(空洞だらけの夜。)
闘争は終わらない