日常の中で 気付かないうちに
溶けて消えない累積した至難が
寄りて集まる
分厚い掌を持つ者は
集まった至難を一心に受けて生きる
終わりの見えない毎日の中で
朝から晩を繰り返す
溜まっていく憂鬱に
静かに寄り添う
音がしない張り詰めた晩に
心を尽くして しわを伸ばす
知られない優しさが
しあわせの一端を支えている
私は素知らぬ顔で
中央の道を歩く
完成された毎日を
当たり前に
顔の端で違う気配を感じながら
赤黒い異変にも対応できずに
いつかを想いながら
僅かながらの力を蓄える
目の端に先のしわを捉えながら
まだ酷く頼りない この両手に