
Photo by
snafu_2020
詩「息継ぎ」
遥か遠く
あなたの背中は見えない
私は 荒い息継ぎを繰り返す
急激な水飛沫をあげ
あなたはイルカに還った
振り返る事もせずに
私は まだ幼くて
息継ぎさえ 拙い
不器用な呼吸の所為で 頭に鈍い痛みが走る
あなたは私の中で いつまでも遠いのです
私の手があなたの背中に届いた瞬間
空が変わらず青く見えます様に…
水を掻きながら
呼吸を繰り返した
水飛沫をあげ
私は泳いだ
滅茶苦茶な格好で
(空を覆う入道雲が風に吹かれて笑う。)
魚にもなれずに
水に溶け合う事すらできずに…
あの夏は
水を掻いた波紋が広がっていく様に
あなたが私の全てだった