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八つ頭のおでんと春の香り


最強寒波の報道が各地に物凄い大雪を降らせ、
道路網も麻痺しているようです。
物流が止まってしまう地域もあるそう。

近所でも、出先でも、
会う人会う人と、「寒いですねぇ」と声をかけあう一日でしたが、
陽射しや空気の匂いだけは春遠からじ、
と言いたくなる感が確かにあります。

風邪をひかないように、
今夜はあったかメニューを作りました。
八つ頭のおでん。

八つ頭は、里芋の仲間。

親芋の周りに、小芋がくっついて一体化しています。
その小芋が、八個の頭のように見えるので 八つ頭。

里芋は、
小芋がたくさんできる⇒子孫繁栄の縁起で
お正月に良く使われますが、
八つ頭も負けず劣らず、
八が末広がりで、さらに人の頭(リーダーという意味かな?)になるという縁起のよさ。
ねっとりとして美味しいので、好きなんです。

年末に出回った分が市場に残っていたのを見かけ、
今日は変わりおでんにしてみようと、いそいそ買ってきました。

ぬめりが少ないので扱いやすいですが、
里芋と違い、下ゆででなく蒸すか揚げるかすると、崩れにくいです。

あわせたのは、しょうがを利かせた鶏ひき肉と長ねぎのだんご、大根、こんにゃく、結びしらたき、湯葉に、練り物各種。

鶏のガラと昆布でゆっくり取ったスープを1リットルに薄口醤油大さじ2、塩小さじ1、砂糖少々の割合で調味します。
鍋の大きさによっては、この比率で加減してみてください。

下ゆでした大根、こんにゃく、鶏だんご、
蒸した八つ頭などを弱めの中火で煮ます。
下茹でなどしているので、30分ほどで大丈夫です。
その後火を止め、味を含ませる方が、
何時間も煮るより具も煮汁もすっきりおいしく仕上がります。
半日から1日おくと、しっかりと染みます。
油抜きをしたさつま揚げやごぼう天、はんぺんなどの練り物や、湯葉は
最初から入れずに、煮含めておいた鍋に食べる前に加えて温めながら煮ます。
練り物にはしっかり味がついているので、15分ほどで大丈夫。
長く煮るとせっかくの旨味が煮汁に逃げてしまいます。

食卓では、
ゆずこしょうや、かんずりなどの瓶詰めに加え
出始めたばかりの蕗のとうと同量の赤味噌、お好みの量の砂糖を合わせた蕗味噌も添えてみました。
冬に美味しい八つ頭に、春の香りで心がふわっと浮き立つようでした。

今夜は八つ頭が主役なので、
優しい味に煮含めたい感じ。

トマトや、青みになる野菜も風味が強く出るので、加えるなら煮上がり際に。
思い切って入れるのをやめると、
仕上がりは似たような地味な色合いになりますが、
でも味わいはそれぞれ実に違っていて、
おなかいっぱい楽しめました。

卵も時間が足りずに加えなかったけれど、
八つ頭のおかげで満腹になったよう。
暖房を消すほど カラダもあたたまります。

鍋のあたたかさに
春を待つ心持ちも重なって
日本人でよかった、としみじみ思う夜でした。


明日の朝は、さらに味がしみていると思います。
たのしみ、たのしみ♪♪♪

再び会合などが中止になったりなどしていて、
感染の再拡大をまた身近に感じる今年の冬。
寒さに負けずにしっかり着込んで、元気に歩き
内側からも、何でももりもり頂いて、
風邪やさまざまな病気を寄せつけないようにしたいものです。



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