同人ライターの読書記録#1『山猫珈琲』
はじめに
こんにちは!
クリエイティブ生命体・cpdです。
私は動画・イラスト・文芸など幅広い創作活動をしており、
TRPGシナリオの執筆も行っています。
※本記事のタイトルで「同人ライター」と名乗っているのは、
正しくは「TRPG同人シナリオ書き」という意味になります。
最近、よく本を読むようになりました。
物語的な本と実用書を交互に読むのが個人的なブームです。
先日『「好き」を言語化する技術』を読み、
「せっかく本を読んでいるのだから他人に見える形で記録を残そう」
という気持ちになり、今回の記事を書くことにしました。
※『「好き」を言語化する技術』もとても素敵な本だったので、
また後ほど記録noteを出そうと思います。
こんな人に読んでほしい
本記事はこんな人におすすめです!
・誰かの読書記録/感想を読むのが好きな人
・次に読む本を探している人
創作活動者としての目線で読んだので、
「創作活動が好き・創作活動をしている」
という方にもぜひ読んでいただけたらと思います。
今回紹介する本『山猫珈琲(下巻)』
本を選んだきっかけ
『山猫珈琲』は、『告白』などで知られる小説家・湊かなえさん初のエッセイ集です。
本当は同じ著者の『高校入試』を読もうと思っていたのですが、
分厚い本に文字がびっしり書かれていたため
今は読む気分じゃないな……と感じて
隣にあった『山猫珈琲』を手に取りました。
『山猫珈琲』はページの上部(ヘッダー)に余白があり、
ぱっと見の「文字の圧」を感じにくく
読みやすそうな印象を受けました。
実際、収録されているエッセイも
1作品につき1ページ半~3ページ程のものが多く
難なく読むことができました。
致命的失敗!!
家に帰ってさあ読むぞ!となり、
ページを開いて唖然としました。
目次にいきなり「第二部」って書かれてる……!
手に取った時は気が付きませんでしたが、
タイトルにもある通りこの本は「下巻」だったのです。
あまりにも致命的な失敗。
本来ならば上巻から読むべきです。
しかし、手元にある本を
読まずにいるのもモヤモヤする……
これも何かのめぐり合わせ、ということで
ひとまず下巻のみを読むことにしました。
本の構成
『山猫珈琲』下巻は
「第二部」「第三部」の2つで構成されています。
第二部はエッセイの詰め合わせ、
第三部はデビューするにあたってのエッセイ記事や
過去の応募作品(脚本)が掲載されていました。
今回はその中でも、
特に惹かれた部分をピックアップしつつ
私なりの感想を書いていこうと思います。
第二部収録『ライターズハイ』
この話は特に共感できるな~と感じました。
長時間走り続け、苦痛を我慢した後に出現する多幸感を
「ランナーズハイ」と言いますが、
文章を書く人にとっても同じようなことが起こる、みたいな話でした。
物語を作り続けることはつらいけれど、
自然と筆が進み世界が作られていく感覚を知ってしまっているから
書くことをやめられない、という話。
「産みの苦しみの先に創作の幸せがある、だからこそ書き続けてしまう」というのは本当にそうだなと感じます。
第二部収録『人生という箱には、大切なものから詰めていこう』
まず、タイトルがとても好きだと感じたので、
どのような意図でこの題をつけたのか、
読んで確かめたいという期待がありました。
自分の感情と現実を切り離す
このエピソードでは、著者は
物事を真っ直ぐ見ることができていて、
感情と現実を切り分けて考えて
最適解を出すことができていてすごいな~と感じました
自分の怒りや悲しみを抑えて
相手の求めるもの(感謝)を
(自分が心からそう思っていなくても)口にすることって
なかなかできないことだと思うので、
それを実行できることがすごく高尚なことに思えたのかも
やりたいことに優先順位をつける
「やりたいこと」「やるべきこと」の中でも
優先順位をつけて、最も大事なことからこなしていく
というのは結構色々なところで聞くノウハウだなと感じるので、
改めてその大切さを感じました。
最近もXで
「自分の人生において最も優先度の高いことを、
最優先で毎日やるのが良い」
というポストを見かけたので、
優先度の高いことを大切にしていくと
人生も好転していくのかもしれません
「思う」だけじゃなくて「伝える」
全てを自分でやろうとするのではなくて
手が回らない部分は誰かに頼るということ、
そして「感謝の気持ちを忘れない(自分の気持ちの持ちよう)」のではなく
「感謝の気持ちを伝える(相手に言葉としてしっかり伝える)」こと
どれも意識していきたいことです。
第三部収録『妹たちへ 日経WOMAN』第2回
「事実としてわかっていても他人から言われるのは不快だと感じる」のはすごくわかるな~と思います
本筋とは少し離れますが、
「自虐として自分で言っていることでも、
他人から同じことを言われたら悪口になる」
ということにも少し似てるな~と。
「傷つくことを繰り返すうちに心が石化してしまう(心が死んでしまう)」
という感覚もとても共感できました。
著者の痛みと私の痛みはきっと、
種類も程度も違うものではありますが、
「完全に世界に絶望して何も感じなくなってしまう前に、
今あるこの痛みを書き記しておくこと」が
私にできることなのかもしれないな~と思ったり。
短歌とか詩とかエッセイとか、私にとっては
「苦しい時になんとか筆を取って書くもの」という
意味合いが大きかったので、
この文章を読んでなんだか腑に落ちたような気がします。
終わりに
全体的に読みやすく、なにかと共感できる部分がある本でした。
一つ一つの作品が短めなので、スキマ時間の読書にもおすすめです。
気が向いたらまた読書記録の記事を書こうと思うので、
次の記事でもお会いできたら嬉しいです!
次はどんな本を読もうかな~
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