蒼野由枝

東京都在住。会社員。海と空、桜が好きです。すべての経験を学びに変えて、人と温かな人生を…

蒼野由枝

東京都在住。会社員。海と空、桜が好きです。すべての経験を学びに変えて、人と温かな人生を歩んでいこうと思います。昨日より今日、今日より明日がより素晴らしくなる未来を思い描いて。見つめていたいものは、失われることのない、この世界といのちの輝きです。

マガジン

  • 生きること、楽しむこと。

    生きる中で大切だと思う、気づいたこと、感じたことの記事たちです。

最近の記事

  • 固定された記事

言葉の力

長いこと、本がうまく読めなかった。 頭が、壊れてしまったから。 それは、15歳のときのことだった。 文字が読めるようになりたかった。 必要な情報を得たり、広い世界を 知りたかったから。 一生懸命、本が読めるようになろうと思い、 簡単な本から読んだ。 詩の本もよく読んだ。 短い文だったら、 なんとか意味を追うことができたのだ。 それでも、黙読だとあまり頭に入ってこないから、何度も何度も、音読した。 谷川俊太郎さんの詩が、特に好きだった。 深く心が傷ついて

    • 忘れられない

      星野富弘さんの、忘れられない詩がある。 がくあじさいの絵とともに 綴られたその言葉は、 暮らしの一瞬を どんな宝石より美しい時に変えた。   ――――――――――――――――――――         星野富弘さんは元々体育の先生で、   指導中に大怪我をして   首から下を動かせなくなってしまい、   美しい絵と詩を口で加えた筆で描き続けた   詩人・画家です。   ―――――――――――――――――――― 人を想う気持ちは 大切に想うその人の手を、 金よりも銀よりも美

      • 自分を愛すること

        自分を愛すること それは、熟れたりんごが赤く熟していくように 心を艷やかにする。 新鮮な香りと、からりとした明るさ。 自分を愛する人は、 周囲を幸せな気持ちにする。 太陽の光を浴びて、 すくすくと育った花々のように 愛らしく、凛としている。 遠くを見つめる狼のように 生命力に満ち、目標に向かって駆けてゆく。 それは決して、自分勝手なことではない。 自分勝手さは 自分と他者を隔てていることから生じる。 自分と他者の関係を、よく知らないから起こる。 自分を愛する

        • 絵本作家の眼差し

          子どもの頃から、絵本作家さんが見せてくれる世界が好きでした。 やさしく、ユーモラスに、ときにリズムカルに刻まれることばたち。 一枚の葉っぱや虫たち、そこ登場するものたちに対する、深い洞察。 声を出して読んでいると、そこには人から人へと伝えられてきた、確かなぬくもりを感じるように思えました。 以前、絵本作家のかこさとしさんの展覧会に行けたことがありました。 代表作は『だるまちゃんとてんぐちゃん』。 (トップの絵がだるまちゃんです) はっきり読んだ覚えはないのだけど、

        • 固定された記事

        言葉の力

        マガジン

        • 生きること、楽しむこと。
          12本

        記事

          秋のおたより

          空が澄み渡っていく秋が大好きです。 あっという間に変化し過ぎ去っていく、 でも忘れたくない、秋の風景を贈ります。 * いかがお過ごしでしょうか。 少しずつ、体が回復してくれて、以前より穏やかな日々を過ごせるようになりました。 次なる道を模索して、少しずつついてきた体力で、半歩、半歩、また一歩、と動き始めていました。 昨年、一昨年と、ひどく体調が悪い中、職場もかなり殺伐とした状況にあったため、心身の痛みに耐え抜く日々でした。 そんな中、皆様とのやりとりが、どれだけ

          秋のおたより

          間をつくる

          子どもの頃、話題になっている漫画について、 「どのキャラが好き?」 と聞かれて、答えられなかった。 わたしが好きだったのは、 その物語に出てくる“誰か”じゃなくて、 キャラとキャラの間にある 信頼関係や親密さだったからだ。 心から離れないのは、 誰かが誰かを見つめるときの瞳だったり、 沈黙の中、寄り添い合う二人を包む 温かな空気、だったりした。 間にあるもの、 それは、一人では生まれ得ないものだ。 人と人の間に生まれる美しさが好きだ。 * 間は、目に見えな

          間をつくる

          いのちへ

          ずっと、暗闇の中にいた。 怯えた心だった。 生まれてきた理由を、知らない。 気づいたときには 生きてることが苦しくて、苦しくて、 やわらかな心を失った。 嬉しいって、どんな感情だったろう。 楽しいって、どんな感情だったろう。 優しいって、どんな気持ちだったろう。 自分を世界の汚れのように思った。 それでも、 体は、あった。 目はあって、光が見えた。いつもの街並みが見えた。 耳はあって、音が聞こえた。人々のさざめきが聞こえた。 空があって、風があって

          いのちへ

          おびえから、一歩外へ。

          おびえてちゃ、いけない。 そう、よく思っていた。 親がけんかをしていると、居場所を失うような怖さがあった。 家という場所、家族がそろっている場所が いつなくなるかわからないと思っていた。 「おびえている自分は、ダメだ」 いつも、ぐっとこらえて、 怖くてふるえている自分を 出てこないように押し込めた。 そのせいか、大人になってから、 何も悪いことしてないのに なぜかびくびくしてしまう自分がいた。 人から否定されるたび 「自分がなにか悪いことをしたんだ」 と思った。

          おびえから、一歩外へ。

          魂のおいしいところ

          魂のおいしいところ というと、どんなことを想像されるでしょうか。 今日は谷川俊太郎さんの作品で、 私がいちばん好きな詩をご紹介します。 この詩に出会ったのは、 高校生の頃と思います。 「魂のおいしいところって、なんだろう?」 と、素朴に思いました。 それでも、 この詩に感じられた 幸福感、世界の多重性、 そして今日を生きる勇気こそ、 『魂のおいしいところ』なんだ と感覚で理解したのです。 この詩の、下の部分がいちばん好きです。 なんだか、とても幸せな気持ちになれ

          魂のおいしいところ

          空と海を見に

          海を見に行きました。 行ってきたのは逗子方面。神奈川県の相模湾に面した海岸です。 空も海も綺麗で、ずっと眺めていたいと思いました。 昼間はこんな感じでした。 そして、夕暮れ時。 ずっとこの光景を見たいと思っていました。 広やかな空と、移りゆく光の情景を見ていると 心がおだやかになります。 こちらは朝の様子です。 太陽と海の織りなす光。 壮大で、すべての生命を包み込み、 守ってくれているような、 この星の優しさを感じさせてくれました。 おまけ。植物もかわいか

          空と海を見に

          秋の訪れ

          先週、雨上がりの公園に行ってきました。 仕事が忙しい日々が続いていますが、そんな中でも植物たちの中に入ると、優しい気持ちになれます。 月や太陽の光、 風のやわらぎ、 植物たちの優しい彩り、 鳥の鳴き声や、虫の音。 目には見えない、無数のいのちたち。 それらの佇まいや、優しい共鳴が、 疲れたからだを癒やしてくれる。 そんなふうに、思います。 少しだけ、色づき始め。 そんな、日に日に変わっていく 植物たちが見せてくれた姿です。

          秋の訪れ

          人の喜びを喜びとする人

          知り合いで、HSPと呼ばれる体質の人がいる。 HSPとは、ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly Sensitive Person)の略で、視覚や聴覚などの感覚が敏感で、刺激を受けやすいという特性を持っている人のことをいう。 彼は生まれながらに、人の心にとても敏感なのだそうだ。人が持つ悲しみや心の痛みにふれると、鳥肌が立ってしまうほど、深く感じてしまう。 そんな繊細さを持っていたから、治療家になったのだ言う。 体の治療を仕事にしているけれど、その感性と優しさで

          人の喜びを喜びとする人

          日の光の下で

          少し前になりますが、 今年も可愛らしい紫陽花たちに たくさん出会えました。 6月の雨が降る季節。ときに雫をたくさん乗せて 日の光の下で、きらきら輝いていました。 紫陽花は、日本原産だそうです。 小さな花が寄り集まって咲く様子は、 なるほど、和を大切にしてきた日本に よく合うように思います。 青から紫、やわらかな桃色、 水彩画のにじみのように 色がまざりあって生まれたような色合い。 見れば見るほど、 その色の美しさに引き込まれます。 * ひとくくりに紫陽花といって

          日の光の下で

          見ている世界は繋がっていた

          ある日のこと。 父と母に久しぶりに会い、外でランチをした後、 そのまま一緒に公園を歩いた。 その公園は広くて木がたくさんあって、多くの人に人気の場所だ。小さい頃に母や祖父母と来たこともあって、なかなか思い出のある公園だった。 そんな昔の記憶をたぐりよせようと、きょろきょろ周りを見回していたら、不意に、父の、母に向けた言葉が耳に入ってきた。 「…何言ってんだ。結婚する前、つき合っているときによく来たじゃないか。お互いの家のちょうど間にあったから」 言われてみると、その

          見ている世界は繋がっていた

          楽しんでほしいんです

          「楽しんでほしいんです」 そう言ってくれたのは、治療家さんだった。 その頃は、仕事で体がしんどくて仕方なくて、月に2回ほど整体院に通っていた。 その治療家さんは、人の体にも心にも感性が深い。 体の状態と話の内容から、私の問題を見抜いたのだと思う。 いつも未来に怯えて緊張していた私は、心の底からリラックスして、楽しむことができなかった。 自分が楽しんでいいとも思えなかったし、幸せになることをゆるされているとも思えない。周りの人の不機嫌を受けて、責められるままにすべて

          楽しんでほしいんです

          新緑の公園へ

          天気の良い日に、公園に行くことができました。 大きなケヤキの木。 大地の優しさを感じさせてくれる。 ツツジが満開でした。 萌え出る草たち。 葉っぱの下で。ハクウンボクという名前のお花。 花言葉は「愛の旅」「朗らかな人」「壮大」。 光との共演。 その鮮やかさは、これから来る夏を思わせる。 葉っぱがキラキラ透けて光るユリノキ。 大好きな木になりました。 新緑の爽やかな風が、地球いっぱいに広がりますように。 皆様が新緑の時を心地よく過ごされますように🌿

          新緑の公園へ