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忘れられない
星野富弘さんの、忘れられない詩がある。
がくあじさいの絵とともに
綴られたその言葉は、
暮らしの一瞬を
どんな宝石より美しい時に変えた。
結婚ゆび輪は いらないと いった
朝、顔を洗うとき
私の顔を きずつけないように
体を持ち上げるとき
私が痛くないように
結婚ゆび輪は いらないと いった
今、レースのカーテンをつきぬけてくる
朝陽の中で
私の許に来たあなたが
洗面器から冷たい水をすくっている
その十本の指先から
金よりも 銀よりも
美しい雫が 落ちている
![](https://assets.st-note.com/img/1721028214646-InPIDnMVPF.jpg?width=1200)
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星野富弘さんは元々体育の先生で、
指導中に大怪我をして
首から下を動かせなくなってしまい、
美しい絵と詩を口で加えた筆で描き続けた
詩人・画家です。
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人を想う気持ちは
大切に想うその人の手を、
金よりも銀よりも美しいものを生み出すものに
変えてしまう。
この世界は、
そんな小さな魔法にあふれている。
小さな頃、大切な人がつくったものが
他のどれより素敵だと思っていた。
もうおぼろげな セピア色の思い出
思い返すと、
ふとした瞬間、瞬間に
金よりも銀よりも、
美しい時間が流れていたことに気づく。
出会ってくれた人に
笑いかけてくれた人に
その出会いを見守ってくれたこの世界に
ありがとう
と伝えたい。
大切な日々の瞬間を
胸の奥深くに 残していきたいと願う。
![](https://assets.st-note.com/img/1720619484512-4c3rXYPwlD.jpg?width=1200)