カトキチ@インフラ系企業の人事

インフラ系の大企業で人事戦略の立案・タレントマネジメント・人事制度等を担当(国内MBA)

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最近の記事

部下(被評価者)から不満が出ない人事評価制度は良い人事評価制度か?

経営戦略があり、その経営戦略に基づいて人事戦略を作り、そしてその 人事戦略を具体的な形にする為の人事管理の手法として人事制度がある。 その人事制度の根幹を成すものが等級等のランキング制度、昇進昇格給与賞与等の報酬制度、それらを回していく為の評価制度となる。 ここまでは人事管理系の本に掲載されている通りの情報であるが、これを文字通り読むと、人事評価制度の目的は、ランキング制度や報酬制度につなげる為の査定を行うことであると読むことができる。 では であると言えるだろうか。 答

    • 全社研修の功罪

      先日、ある企業(300名程のコンサルティング会社)において「全社ITスキル向上研修」が行われた。 これは、経営者によるリスキリング施策の一環で、「全社員のITスキルを高める」という目的の下実施され、8時間全ての業務を停止して、全社員が受講するというものであった。 結果は、95%が殆ど何も身についていない(3日後テスト実施)というものであった。つまり、285人/300人が遊んでいたのと変わらないというものであり、経営者が想定していた「全社員のITスキルが高まる」事とは程遠い結果

      • ある上場企業A社(スタンダード)の人事制度改定事例~運用できないMBOなんてやめちまえ

        1.  はじめに A社はソフトウェア開発、技術者派遣・Saas運用を生業とする社員数250名程の上場企業(スタンダード)である。創業から40年の歴史があり、2019年に創業者の娘が2代目社長として代替わりし、その他の幹部は古参幹部が基本である。毎年新卒採用を行っており、年齢構成はバランスが取れている。 A社は約10年前、ある人事コンサルティング会社の支援を受けて、等級制度、報酬制度、評価制度から成る人事制度を構築し、その後様々なツールを追加しながら運用をしてきた。しかし、ツギ

        • 人事評価へのナットク

          人事評価を行っている企業の経営者、人事の皆様に1つ質問があります。 何でこんな質問をしたのかと言うと、人事評価に納得感が低い社員が多くなると、その企業が立ち行かなくなってしまう可能性があるからです。 例えば、「公正に評価されない場合」は納得感が得にくいと言われています。公正ってなんだ?と思う方もいると思いますので、少し書きますが、 2つあると言われています。 特に「手続き的公正性」が確保されていない評価は、評価の納得性からどんどん離れていくという研究結果も多く出ており、

          「ジョブ型雇用に対応した人事制度にしたいのですが・・・」等、人事評価制度に関するQ&A #1

          本日は人事評価制度に関するQ&A#1をまとめていきたいと思います。 Q:ジョブ型雇用に対応した人事評価制度にしていきたいのですが、  何から手を付ければ良いのでしょうか・・・ (製造業(上場企業)人事部課長) A:現在の日本には、欧米型のジョブディスクリプションを活用し、職種別採用、個人同意の異動、職種×職位レベルの設定、昇給昇格賞与の現場管理、戦略ベースの要員計画、管理をするようなフルスペックのジョブ型は少ないように感じています。 ①ジョブ型 ②メンバーシップ要素の入

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          山〇パン工場日雇い夜勤バイトから考えるワークエンゲージメント

          社会人となり、様々な経験を経て管理職になった現在「どうすればエンゲージメントサーベイの数値は良くなるのか?」という具体的な話に頭を悩ませている方も多いのではないか。よくある形は、3要素(活力、熱意、没頭)の度合いをアンケート形式で測っていくものであり、その数値結果が管理職の評価の一部になるところも多い。その為、かなり真剣に考えなければならないテーマではあるが、切り口が多いだけに色々悩みは尽きない。そんな管理職の方々に一つ伺ってみたいのだが、「山〇パン工場日雇い夜勤バイト(以下

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          評価者の皆様へ 人事評価のきほんのき

          人事評価の目的は査定と人材育成 人事評価は「目標設定をして、1on1等の期中面談をし、振り返り面談、フィードバック面談をする」等々のタスクが発生し、とても手間がかかる事は事実です。しかし、会社として、その様な手間をかけてでも達成したい事があるはずです。それは何でしょうか。  まず「頑張った人にしっかりと報いたい」です。正しく評価をする事により、頑張った方に対して適切な処遇ができるようになります(評価制度((厳密には等級、報酬を含む人事制度))が無い場合、「やってもやらなくて

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          人材育成や組織開発に関係するHowTo本の功罪

          人材育成や組織開発にまつわる話は、経営者や人事の皆様の中にはもう食傷気味の方も多い事と思う。 「〇〇しろ」とか「〇〇してはいけない」とか、ウェブでも本でもあーだこーだ言われており「もううるさい!」と思う方も多いのではないか。 しかし、企業が経営をしている以上、経営戦略があり、人事戦略があり、 その中でMake or Buyが問われていくものである。 そんな時に、悩んでいる時に、困っている時に手を伸ばしたくなるのが人材育成や組織開発のHowTo本である。 等々のフレーズとと

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          2022年の人事周りのトピックス

          新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。弊社も企業の人事制度構築や人材育成のお手伝いをするようになってから10年程経ちました。 これもひとえに、こちらをお読み頂いている経営者や企業人事の皆様のおかげです。改めてお礼申し上げます。 さて、弊社なりに2022年の人事関連の展望を「採用」「人事制度」「人材育成」「組織開発」の4つの視点から簡単に書いてみたいと思います。 戯言としてお目通し頂ければ幸いです。 採用の話 昨年(2021年)4月22日(木

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          日本の企業規模別の人事制度への取り組みは大体こんな感じ

          人事制度ほど各社各様なモノは無いのではないだろうか。 しかし、議論がしやすい様に、大まかに以下の様に区分してみた。 企業規模が零細企業(F1)だと 「おー、おまえ、子供が出来たのか!給料上げておくな!」 等の「社長の鉛筆舐め評価」が中心であり、意外と上手くいっているところも多い。 そして、企業規模が30~70名程の中小企業(F2)になると「公平な評価」を求めて 「そろそろ人事制度を~」 と人事担当者と社長で簡易的な人事制度を作る。 簡易的である為、結局は社長が鉛筆

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          人事に関わる直近の法改正等一覧(2021年11月1日時点)

          【2022年4月1日~】 ・雇用環境整備、個別の周知、意向確認の措置の義務化 ・有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和 【2022年10月1日~】 ・産後パパ育休(出生時育児休業)の創設 ・育児休業の分割取得 【2023年4月1日~】 育児休業取得状況の公表の義務化 その他 【2022年1月~】 ・雇用保険マルチジョブホルダー制度の新設 ・雇用調整助成金の特例措置を2022年3月まで延長(2022年1月以降の措置内容は11月中に公表予定) ・くるみん認定・プラ

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          社会保険労務士の市場価値と労働市場

          社会保険労務士(以下社労士)は8士業と言われる専門職の内の1つであり、 その名の通り社会保険と労務に関する独占業務を持つ士業である。具体的には手続き代行業務( 1 号業務)、労働社会保険諸法に基づく帳簿書類の作成業務( 2 号業務)がその独占業務に当たる。 また、社労士には企業に勤務するタイプの方(以下勤務型)と 独立するタイプの方(以下独立型)がおり、男性の平均年収は512 万円(※¹ )であり、女性の平均年収は 434 万円である。 大学・大学院卒の男性の平均年収が 4

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          大企業の組織改革

          序 章   第1節 組織変革とは何か  第2節 組織変革の成功事例と失敗事例 第1章 組織変革の課題  第1節 組織変革に関する先行研究  第2節 先行研究に照らし合わせたレナウン社の組織変革の課題  第3節 レナウン社の組織変革の課題考察 第2章 組織変革の課題解決  第1節 経営者個人のリーダーシップでの課題解決(人材の取り換え)  第2節 社員個々のアンラーニング・再学習による課題解決(人材教育)  第3節 JOB型雇用への転換による課題解決 終 章 組織改革とは企業と

          スターバックスコーヒーに学ぶフォロワーシップ

          2010年,米国TEDにてDerek Sivers(以下Sivers氏)がプレゼンテーションを行った。その時の動画は以下のとおりである。 動画を観ると,すぐに一人の裸踊りをしている若者が登場する。 Sivers氏はその若者について「孤独な馬鹿者」と表現した。しかし,すぐにこの「孤独な馬鹿者」に続いて,一緒に踊り出す人が出てきことで,Sivers氏は「孤独な馬鹿者が,後に続いて踊るフォロワーを得て,リーダーになった」と表現し直した。この動画を見た梅本龍夫(SB

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          【人事制度】「〇〇くん!」等と呼んでいる企業にジョブ型は無い

             日本企業は終身雇用が崩壊し、大企業中心にメンバーシップ型からジョブ型に急速に舵を切ってきた。それに合わせ、人事制度もソフトバンク社やリクルート社を先駆けとして、役割等級制度が拡大している。 株式会社Works Human Intelligence(2021)によると調査対象119社の内約45%の53社が既に導入済であり検討中を含めると7割を超えるという。国際競争力の強化、メンバーシップ型採用の負荷、専門職の不足、終身雇用の終焉等の背景から、年功的要素が強い職能資格制度か

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          【社員の副業対策】プラットフォームエコノミーで働く就労者の保護

          筆者の支援先企業で、ウーバーイーツの副業を始めた社員がいて、怪我をしてきたと相談があった。「緊急事態宣言下で月収100万円」ウーバーイーツ配達員がその様な見出しでマスコミに取り上げられる等、プラットフォームエコノミーは活況である。本人が頑張ったら頑張った分だけ稼げることや、雇われの身ではない働き方ができる等の多くのメリットがあり、こうして副業として取り組む社員も出てくることが予想される。 一方で、プラットフォーム労働は、災害時の補償や失職時の生活補償など、雇用労働者に比べて

          【社員の副業対策】プラットフォームエコノミーで働く就労者の保護