自分を育てるのは自分
横田富信さんの書かれた『子どもの自己調整スキルを磨く』を読んだ。横田さんの専門は社会科で、これまで2冊社会科に関する本も読んだが、とても分かりやすく書かれている。社会科を学び始めたい方は、ぜひそちらも読んでみてほしい。
前回紹介した庄子さんの『子どもに「任せる」がうまくいかないあなたへ』とも根幹の部分は共通している。以下、本書より得た私の学びを簡単に述べる。
私も「自立した学び手を育てる」を軸に、様々な実践の追試をし、目の前の子供たちの実態に合わせて修正してきた。その中で、長らく問題意識としてあったのが、実際に目にする社会科授業の多くが、主体性に重きを置いた授業ではないということだった。そのため、書籍から学びを得て、自分なりに考えを深めて実践づくりに励んでいた。30代目前からは、「自立した学び手を育てる社会科授業」と呼べる自分なりの実践もできるようになってきた。(もちろんまだまだ未熟で、改善すべきところは多い)
自分のことを自分で育てていく学習の自己調整スキルは、従来の授業観のままでは育たない。資質・能力ベースで授業をつくっていくことは、今後の社会科教育の最重要課題である。横田さんは、以下のような汎用性のある学習観に基づいて学習を構成していく必要性を述べている。
どれも共感、納得できる。この本を読んで、私たち教師は、「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」を通して、「主体的・対話的で深い学び」を実現することに、もっと本気で取り組んでいかなければならないと改めて感じる。私は研究主任として、まずは校内全体への推進に力を注いでいきたい。もちろん、方向性を間違えずに気を付けながら、自身の授業改善も絶えず行っていく。
と、横田さんは述べている。私自身、大学院生の頃に読んだ『学びの責任は誰にあるのか』に影響を受けて、初任からの数年間を過ごしてきた。徐々に学びの責任を子供たちに移行していくという発想は、常に私の学級づくりにある。教師が頑張る授業ではなく、子供が頑張る授業を追究し、子供が主体となって学んでいく授業をつくっていけたらと思う。
この2年間は低学年担任であるため社会科からは遠ざかっているが、「自立した学び手を育てる」という軸は変わらない。次年度、再び社会科のフィールドに立ったとき、横田先生から得た学びも大いに活かして子供主体の社会科授業をつくり、実践提案していきたい。
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