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本当の「主体的な学び」とは?

こんばんは。“学びで人生を楽しく”と掲げて日々勉強を続けている小学校教員です。今日は「主体的な学び」をテーマにして書いていきます。

私たち教師は日々、「主体的・対話的で深い学び」という視点で授業改善に努めています。しかし、本当の意味で「主体的な学び」は実現できていないと感じています。

いまだに教師主導の画一的な授業は根強いです。逆に全てを子どもに任せて教師が放任しているような授業も耳にします。このままで本当によいのでしょうか。

この記事では、まず「主体的な学び」とはどういったものか改めて整理します。その上で「主体的な学び」の実現を阻害している要因を分析し、それらを解決するアクションプランを述べていきます。


「主体的な学び」とは?

まず、学習指導要領において「主体的な学び」は以下のように説明されています。

学ぶことに興味や関心をもち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しをもって粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる学び。

学校現場にいる人であれば、一度は目にしているこの説明。しかし、いまだに学校現場の理解は、「意欲的に取り組んでいるか」でとどまっているように思えます。

「主体的に学ぶ」ことと「意欲的に学ぶ」ことは同義ではありません。意欲的に手を挙げて発表している子が必ずしも、見通しをもって粘り強く取り組んでいるとは限りません。意欲的にノートを取っている子が必ずしも、学習活動を振り返って次につなげているとは限りません。

溝上氏は「主体的」を「主体(行為者)が客体(対象)に対してすすんで働きかける前のめりの状態」と定義付けています。主体(行為者)とは、学習者である子どもたち一人ひとり。客体(対象)とは、学習課題や学習に関わる他者等と置き直すことができます。

つまり、学習者である子どもが学習課題や他者に対してすすんで働きかけ前のめりの状態になってることを指しています。

だったら、先ほどの意欲的に発表している子やノートを取っている子も十分、主体的に学んでいるではないかと感じますよね。

ここで大事になるのが「主体的な学び」の深度です。溝上氏は主体的な学習を三層に分けて論じています。

(Ⅰ)課題依存型の主体的学習

興味・関心をもって課題に取り組む。書く・話す・発表する等の外化の活動を通して課題に取り組む。

(Ⅱ)自己調整型の主体的学習

学習目標や学習方略、メタ認知を用いるなどして、自身を方向づけたり調整したりして課題に取り組む。

(Ⅲ)人生型の主体的学習

中長期的な人生の目標達成、アイデンティティ形成、ウェルビーイングを目指して課題に取り組む。

溝上慎一『「主体的・対話的で学び」の指すものは深い。「個別最適・協働的な学び」の前に指導要領の徹底を!』より引用

この三層による分類は、学習指導要領の説明とも結び付いていて大変わかりやすいと感じています。学校現場では、まだまだ(Ⅰ)課題依存型の主体的学習が最終ゴールだと思われているように感じます。

意欲的に発表している子やノートを取っている子は、(Ⅰ)にとどまっています。もちろん(Ⅰ)の実現は必要不可欠です。しかし、学習指導要領の文言に即して考えても、「主体的な学び」を語るときは常に(Ⅱ)や(Ⅲ)の主体的学習を視野に入れておかなければいけないと思うわけです。

私が現在受けもっている2年生の学級では、(Ⅰ)課題依存型の主体的学習は概ねクリアしました。そこで、「かけ算」の単元から(Ⅱ)自己調整型の主体的学習に軸を置いて実践を積み重ねています。

ここまで本当の意味で「主体的な学び」とはどういったものか改めて整理してきました。この続き、「主体的な学び」の実現を阻害している要因とそれらを解決するアクションプランは明日以降に書いていきます。よければそちらの記事もお読みください。

→NEXT

「主体的な学び」の実現を阻害しているもの

「主体的な学び」を実現するアクションプラン


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