【創作大賞2024|ファンタジー小説部門】『メニー・クラシック・モーメンツ ~ Many Classic Moments ~』
プロローグ 僕は、あっけなく死んでしまった。
まだ20代後半だったし、やりたいことだってそれなりにあった。やらなければいけないことだって残されていたはずだ。
グラフィックデザイナーとしての仕事も、少しずつ、ひとりで任せてもらえるようになっていたし、いつか有季とパリにも行ってみたかった。
もっと料理の腕を磨いてレパートリーを100にするのが当面の目標だったし、彼の好きな茶わん蒸しも、これからだって作り続けるつもりでいた。
有季ともっとたくさんキスをしたかったし、その先