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「ハーフマラソン」初完走した若者に、奇妙なアドバイスしてやった
結構前の話になるが、一時期、10kmとかハーフマラソンのレースに出ていた時期がある。
もともと走るのは結構好きなのであるが、今はやめてしまった。
実は、私は色々あって「体重を減らしたくない」、もっと言えば「もう少し重くしたい」みたいな思いが強いのだが、長距離を走り続けていると、どうしても体重が減ってしまうのである。
「体重を減らしたい」と願っている方には、もしかしたら嫌味に聞こえるかもしれないが、別に私もカッコいい体型をしているわけではないので、ご勘弁いただきたい。
ただ、私の同年代には、この考えはなかなか理解され辛く、「えっ?全く分からん。スリムに見られたいじゃん!」とかいう返事が返って来る。
レースに出場していた当時は、ジョギングコースとして人気のある「皇居」周辺にも、何度か走りに行った。
関東在住のジョガーには伝わるかもしれないが、皇居コースの最後の下り坂がビュンビュンとスピードが出て、何とも心地良かった。
一度、「ヒャッホー」とハイテンションで、本格的ランナーな装いをしたお姉さんをついつい追い抜かしてしまった。
すると、その直後にお姉さんに涼しい顔でサッと追い抜かれた。
私は、「お主、やりよるな」と再度、その姉さんを抜かし、、、その後、5~6回ほど抜きつ抜かれつの攻防を繰り返し、バテバテになったところ、、、お姉さんは余裕な表情で、もの凄い速さで駆け抜けて行った。。。
、、、敗けたのか。。。
、、、が、、、何か、、、楽しかった。。。ふふふ。。。
(それにしても、あの姉さん、めっちゃ速かったな)
スティーブン・スピルバーグ監督の『激突 !』のロマンティック・バージョンである。
いずれにせよ、「走るのは好き」より「体重を減らしたくない」が勝ってしまった結果、長距離のレースなどにはもう出ていない。
最後に走ったのは何年も前の「軽井沢ハーフマラソン」であり、タレントの「ダンカン」さんや「にしおかすみこ」さんが来られていて、すみこさんは一緒に走っていた気がする。
そのときの優勝者の方が、何かセーラームーンのコスチュームとかで走られていた結構有名な方だったと記憶している。
折り返し地点に到達する遥か手前で、1人でものすごい速さでぶっちぎっていたセーラームーンとすれ違ったのを覚えている。
因みに、その最終レースの私のタイムは「1時間38分」であり、これが確か自分のベストタイムである。
まあ、あまり走らない方から見れば、「そこそこ良いのでは?」となるかもしれないし、走っている方から見れば、「サブ90(?)にも達してないじゃん」みたいなことを思われるのだろうか。
ハーフマラソンでは、1時間30分を切ることを「サブ90」などといって、1つの目標にされたりするらしい。
私は陸上部出身とかではないので、実際にランナーたちが「サブ90」とか使ってたり(言ってたり)するのかどうかは、よくわからない。
私もその「サブ90」みたいなやつクリアしたい!とか当時は思っていたが、そう考えると、何だか中途半端なタイムで終わってしまった気もする。
(まあ、タイムを8分縮めるということ自体、結構難しいのかもしれないが)
あと、香港で有名な『スタンダード・チャータード・マラソン』というのも走ったことがある。
このときは10kmで参加したのだが、私が通っていたロースクールの香港人クラスメートは、長年、同レースのフルマラソンに参加していた。
彼いわく、「フルマラソンだけ、唯一、あの『青馬大橋(Tsing Ma Bridge)』を走り抜けることができる。これを楽しみに、オレはいつも走り込んでいるんだ」みたいなロマンを語っていた。
『青馬大橋(Tsing Ma Bridge)』は、香港の「青衣(Tsing Yi)」と「馬湾(Ma Wan)」を繋ぎ、空港から香港島に車やバスで移動するときに通過する橋である。
私はついぞ走れなかったが、あの橋を走り抜けるというのは、確かにさぞかし爽快だろうと思う。
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私の好きな「渦潮」を見下ろす橋のイラストがあった!
走っていた当時は、段々と調子に乗って、いつかはボストンマラソンにでも出たいなぁ~とか、あの「心臓破りの坂」でも体験したいな、、、などと浅はかな野望を抱いたりもした(フルを1度も走ったことないのに!である)
そして、その矢先、例のボストンマラソン爆弾テロ事件が起きて、かなりショッキングだったのを覚えている。
あの事件からほどなくして、私はシカゴで一時期暮らしたのだが、そのとき現地で知り合ったアメリカ人ランナーとボストンマラソンについて話したことがある。
その方は、結構なご年齢だったが、ボストンマラソンに何度か出られているとのことで、そのときも同レースのために準備しているような話をされていた。
そのときは、私もまだ走っていた時期だったのだが、彼についつい、「でも、、、あの爆弾事件とか、、、何か物騒でしたよね~」とか少し無神経なことを言ってしまった。
しかし、その方は「いや!これでオレらがレースに出なくなったら、いよいよ悪い奴らの思うツボだ!」と、、、いかにもアメリカ映画っぽいマッチョなセリフが返ってきた。
、、、と、まあ今となっては走ってもいないのだが、当時はハーフマラソンのお陰で、外国のランナー仲間とも何かと楽しいひとときを過ごすことができた。
さて、公演や川原で気持ちよさそうに走っている人たちを見て、昔を懐かしんでいるのだが、昨年の終り頃、仕事の関係で知り合った若者から「初のハーフマラソン」に向けて練習中であるとの話を聞いた。
彼は、礼儀正しい好青年であり、何だか波長があうのである(、、、とおっさんは感じている)。
「いや~、なかなかたいへんで、ハーフってまだ走り切ったことないんすよ。まずは完走を目指したいですね」みたいなことを言っていた。
私は少し先輩風を吹かせて「まあ、レース本番の直前にエナジージェルみたいなのを飲めば、何とかなるであろう」みたいなことを偉そうに言っておいた。
さて、先日、その彼から見事に初のハーフマラソンを完走したとの報告を受けた。
それはそれで嬉しく感じた、、、そして、ついでにタイムの報告もあったが、「1時間44分」とのことであった。
、、、(初出場で、ワイのベストタイムと大して変わらんやんけ。。。けっ、まあ、お前まだ若いから、そりゃそうだろうよ。マラソンのタイムだけが男の価値だと思うなよ。。。)
、、、と10秒ほど、こっそり不貞腐れた後、昔を思い出しながら、彼とは「レースあるある」でひとしきり盛り上がった。
そこで出た「あるある話」の1つが「給水ポイント」は思ったより難しい、というものである。
テレビでマラソン選手とか見ていると、何かスマートに水をキャッチして、スマートに飲みながらスマートに走り、スマートにコップを捨てている、、、ように見える。
実は、あれは初心者には結構難しく、まず水のカップをタイミングよく取れるかどうかドキドキするし、キャッチした後も「バッチャ バッチャ」とこぼれまくって、口に持っていく頃には、すでにカップの中に水が1/4ぐらいしか残っていなかったりする。
その上、、、私はコップを捨てるタイミングで、、、隣のランナーに思いっきり水をぶっかけたことがある!
(激しく、ごめんなさい!!!)
(もう1つ関係ない「スポーツ懺悔」をすると、ボウリングでボールが指からスポっと抜け、隣の人のレーンを転がっていったことなどもある)
![](https://assets.st-note.com/img/1679658395681-lnASTNuATl.png?width=1200)
いずれにせよ、その若者には、初レースにしてタイムもほぼほぼ追いつかれたので、私にしかできない(?)かもしれないアドバイスをしておいた。
これは、実際に私がレースに参加したときに感じたことであり、似たようなことを感じたことのあるランナーがいるかどうか、正直よくわからない。
上に述べた「給水ポイント」であるが、「水」かと思いきや、ご親切にも「スポーツドリンク」だったことがある。
私は、完全に「水」という先入観で「ゴクっ!」と豪快にひと口いったのだが、結構な「すきっ腹」を酸味のあるスポーツドリンクが直撃し、少しの間「、、、何か、、、今ので、ちょっと胃、、、痛くなった、、、かも、、、?」みたいな微妙な状況に陥ったことがある。
スポーツドリンクがどうのというより、完全に全神経が「水兄さん!お帰りなさい!」みたいになってるところに、スポドリが「あっ、いや水じゃないっすけど、よかったすか?自分で、、、」みたいな「体と心の切ないすれ違い」が起き、少し体がビックリしたのかもしれない。
私の経験を活かし、目の前の「初完走」の若者に「給水ポイントでは、カップの中に入っているのが「水」という先入観は捨てることだ。あらゆる心の準備をした上でカップを取れ。取った後は、考えるな、感じろ」みたいなアドバイスをしておいた。
礼儀正しく、可哀そうな若者は、「はっ、、、はい。ありがとうございます。。。」とキョトンとしていた。
まあ、私のアドバイスなど関係なく、どうせ次のレースでは、私のベストタイムを余裕で抜くことだろう。。。