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お寺での掃除に参加して”習慣”について考えてみた話

テンプルモーニングに参加

先日、テンプルモーニングという一日のスタートをお寺の掃除からスタートさせませんか?という催しに参加してきました。
テンプルモーニングとはお焼香・読経をして、お掃除をして、集まった人と少しお話をするという内容です。
きっかけは、以前NOTEで記事にしたのですが、松本紹圭さんという方が出している書籍(こころを磨くSOJI~掃除~の習慣)を読んだことでした。

お経を写経したり、聞くことはありますが、読経となるとなかなかハードルが高く(家には仏壇も無いし、何から読めばいいの?って感じだし、家族にも気を遣う(笑))いろんなことを気にせずお経を読めるいい機会だと思って参加してきました。

参加した感想

掃除も読経も新鮮でとても気持ちよかったです。
掃除は今回竹ぼうきで境内の落ち葉を集めました。竹ぼうきで掃除なんて十数年ぶりですね。思った以上に全身使いますね。膝を使わないとすぐ腰が痛くなることに気づきました(笑)


読経もとっても気持ちよかったですね。1つは気持ちよく自分の声が出せたこと。喉と気道が振動しているのを感じてとても気持ちが良かったです。2つ目は他の参加者の声が同時に聞こえることです。合唱をしている感じが近いですかね。同じ音程なのでハモリとは違うんですが、同じお経を一緒に唱えているのはとても気持ちが良かったです。

変わっていく言葉と変わらない言葉

気づきや感想をシェアする時間で、お経を読んでとても気持ちが良かったという話をしたら、その場で松本紹圭さんがそれを拾ってくれて、”言葉”の話をしてくれました。
お経は約千~千五百年、変わっていないけど、言葉は変わっていく。約200年前は江戸時代だけど、そこからでも全然違う。原発の廃棄物を保管する課題として10万年置いておくにしても言葉が変わっていく、この物質は危険であるということをどう伝えていくことが課題になっているという話をお聞きしました。
平安、鎌倉、室町、戦国、江戸と様々な時代がの変化があったけど、どんな時代の人でも同じ様にお経を読んでいたかと思うと、とてもおもしろい。ただ、今の時代のようにTV、youtube、書籍、ノートなどが無い時代では、お経を読むことが全く違った意味を持った可能性が大で、これは想像してもちょっとわからないですね。
私自身、歴史が好きで#コテンラジオというPodcastにお世話になっていますが、人権が無いのが当たり前(主人と奴隷)だったり、株式会社が無いという社会は想像がつきません。今の日本は何かをすれば何かが返ってくる(お金を使えば何かを買える。犯罪をすれば必ず裁きを受けるなど)ことの方が圧倒的に多いですが、昔は全く違いましたよね。現代で考えると、アメリカ合衆国での公民権運動やBlackLivesMatterを見るとイメージしやすいかもしれません。例えが国外で申し訳ないのですが、キング牧師関連の本を読んだりすると、黒人が不当に扱われ、その当事者が全く罪に問われていないという、とてもやるせない記述を多く目にします。

少し脱線してしまいましたが、お経を読むことが
不安を取り除く術であり、何かに立ち向かうパワーにもなっていたのではないかと思います。不安定な争いの時代に民衆が団結して自治を行い、武士と渡り合ったのは不思議でないと感じています。

世界は”習慣”にあふれていた

日本では明治維新や敗戦、高度経済成長を経て、生活と宗教のあいだに大きな溝ができてしまっている気がしています。だからお寺での掃除や読経というととてもハードルが高いイメージがありますが、日本以外の国を見てみると”習慣”として祈りが根付いている例がたくさんあります。

キリスト教のグレゴリオ聖歌
神職の方の祈りもありますが、大衆が参加する賛美歌も祈りの習慣だと思います。

イスラム教のクルアーン
イスラム教では歌うようにクルアーンを朗読できる人が尊敬されるそうです。

ネイティブアメリカンのセレモニーソング
ネイティブアメリカンでとても過酷なサンダンスというセレモニーで歌われる歌です。

と横並びにしたら怒られてしまうかもしれませんが、この他にもたくさん、各地域に根付いた祈りの”習慣”はあるはずです。

もちろん世界でもこれだけインターネットが普及した時代です。全員が全員教会やモスク、セレモニーでの祈りに参加しているわけではないと思いますが、日本は隔たりがすごく大きいと思います。

”習慣”を思い出す


日本ではこういった宗教や習慣が失われたとは思っていません。日本全国に神社は約8万社、寺院は約7万7千寺があり、天皇陛下もいらっしゃいます。ただ忘れているだけです。この機会に”習慣”としての掃除を思い出してみませんか?(※今回はお経がメインの記事になってしまいましたが)
都内にお住まいの方、通勤で近くまで来られる方はぜひお勧めです。(案内のTwitter記事を書いておきます。)

ただあまり気張らず、見返りを期待せず、淡々と参加されるといいと思います。現代日本は何かを払えば何かが返ってくることが多いので、時間やお金を使うことで、何かいいことが起こるのではないか、ご利益が得られるのではないかという気持ちになってしまいがちです。
ハッキリと言っておきます。テンプルモーニングに参加したから何か良いことが起こる!ということは無い(と思います)。見返りや効果を期待せずに淡々と掃除をする修行をするんです。(笑)
難しいですけどね、掃除したから良いことが起きるんじゃないか、良いご縁で出会いや新しい知識が得られるんじゃないかって思っちゃいます。オレもお寺に向かう時に考えてます。これは人間として当たり前ですよね。重要なことは、そんな事を自分は思っているなぁと客観視しながら、感謝される為ではなく、淡々と掃除をしてみるという体験をしてみることなんじゃないかと思います。

東京以外でテンプルモーニングを開催されているお寺もあるようなので、リンクを貼っておきます。


その他参考サイト

コテンラジオ

フランス革命が起きた理由(人権の話が分かりやすいです)


株式会社の誕生と資本主義
(どんな社会変化をもたらしたかがイメージしやすいです。)


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