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高校時代の夢と選択——推薦を拒否。自衛隊に入ると決めた道④

高校時代、私は「将来何になりたいのか」を考える時間がたくさんありました。それはきっと、誰もが経験することだと思います。でも、私にとっては特に大きな問題でした。

私は「なりたい仕事」が明確にありました。それは、警察官になること。でも、周りの人たちはその夢に賛成してくれませんでした。

それでも、私の中で警察官という仕事は、ずっと憧れの職業でした。幼いころから、地元の警察官を見かけるたびに、「こんな風になれたらいいな」と思っていたんです。正義感が強く、人を守る仕事。困っている人を助け、地域の安全を守る。その姿は、とても格好よく見えました。

てんかんと向き合う日々

でも、私には一つの大きな壁がありました。それは「てんかん」という病気。小さい頃から、地元の小児科に通っていました。発作が起こるたびに薬の調整をしながら、普通の生活を送れるように努力していました。

高校生になる頃には、薬の効果もあって発作はすっかり落ち着いていました。高校に入ってからは、一度も発作を起こしていませんでした。それでも、「てんかん」という病歴は、私の夢を阻むものになってしまったんです。

警察官は、体力的にも精神的にも厳しい仕事です。そのため、健康状態が採用の条件の一つになっています。私は、発作が出なくなっていたとはいえ、過去の病歴が理由で、警察官になることを反対されてしまいました。

反対されたときは、とても悔しかったです。「もう発作もないのに、なぜ?」という気持ちでいっぱいでした。私の中では、「なれるはずなのに」という思いがあったんです。でも、周囲の大人たちは「万が一のことがある」「危険な仕事だから」と、心配ばかりしていました。

最終的に、私は警察官の道を諦めることになりました。でも、心のどこかでは、まだ納得しきれない自分がいました。

就職先としての自衛隊

警察官の道が閉ざされてしまった私は、新しい道を探さなければなりませんでした。

そのとき目に留まったのが「自衛隊」という選択肢でした。自衛隊もまた、人々を守る仕事。警察とは違うけれど、国を守るという意味では共通点もあります。

私は、「自衛隊なら挑戦できるかもしれない」と思い、就職先として考えるようになりました。

自衛隊の試験は、体力面でのハードルが高く、厳しい訓練を乗り越えなければなりません。それでも、私は「ここでなら、自分の力を試せる」と思いました。

警察官になれなかった悔しさを、自衛隊で晴らそうとしていたのかもしれません。警察という夢は叶わなかったけれど、それに近い職業であれば、納得できる気がしたんです。

先生からの「いい話」

そんなとき、担当の先生が私に声をかけてくれました。

「いい話があるぞ。〇〇省から推薦の話が来ているんだけど、どうだ?」

突然の話に驚きました。まさか、自分にそんなチャンスが巡ってくるとは思っていなかったからです。

〇〇省の推薦とは、つまり、自衛隊とは別の道が開かれる可能性があるということ。でも、そのときの私は、すでに自衛隊に進むつもりでいました。

先生の言葉に心が揺れました。こんなチャンスは、めったにないことかもしれない。それでも、私はその話をじっくり考えず、親に相談することもなく、自分の中だけで決断を下してしまいました。

親に相談しなかった18歳の自分

今振り返ると、なぜ親に相談しなかったのか、自分でも不思議に思います。

人生には、いくつもの分岐点があります。そのときの選択が、将来を大きく変えてしまうこともあります。でも、18歳の私は、その重大さに気づいていませんでした。

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