日本の伝統酵母 『酒種』を作る (動画あり)
ふんわりモチモチの焼き立てのパンを、手でちぎって頬張る。
ホッとするような優しい風味と
何も付けなくてもほんのり甘味のある生地。
日本人ならきっと誰もがホッとするはず。
今日は、お米と麹で作った酵母(酒種)パンのお話です。
酒種とは?
酒種は、お米と麹で作る日本独自の天然酵母です。
酒種を使ったパンの最大の特徴は、しっとり感とフワフワ感。
厚切りトーストで贅沢に食べたいパンです。
(1斤あっという間に無くなってしまう美味しさ!)
今我が家はこのフワフワ感ブームで、
食パンや、近頃は肉まんばかり作っています。
肉まんはまさにこれからの季節にピッタリ!
美味しい本格的な肉まんがお家で作れちゃいます。
そんな酒種酵母。
作り方の工程をざっくり説明すると
材料(米・米麹・水)を混ぜ合わせたら発酵を待って
それを4回繰り返す
という、かなり地味な作業です。
時間はかかりますが、ポイントをまとめたのでこれを押さえれば
失敗せずに酵母を起こすことが出来るはずです。
酒種の成り立ちメモ
酒種は、あんぱんで有名な木村屋さんが、明治7年に考案した発酵種。
当時、日本ではヨーロッパのようなパンが普及しなかったので
日本人の嗜好に合わせたパンを作るために、
日本の材料を使って酵母を開発したそうです。
日本酒作りがヒントになったとのこと。
酒種作り 失敗しないためのポイント
✔️発酵温度をきちんと管理すること
✔️定期的にかき混ぜてあげること
酒種が好む温度は22℃〜28℃。
温度が上がりすぎないように
低温でゆっくり発酵させてあげれば、元気な酵母に育ってくれます。
あとは、発酵中に2回〜4回かき混ぜること。
酵母が増えるために必要な酸素を定期的に取り込んであげましょう。
材料
作りやすい分量
【1番種】
・生米 50g
・ごはん 10g
・米麹 40g
・水 100g
【2番種】
・前種 30g
・ごはん 100g
・米麹 30g
・水 40g
【3番種】
・前種 30g
・ごはん 100g
・米麹 20g
・水 50g
【4番種 / 種継ぎ】
・前種 25g
・ごはん 100g
・米麹 30g
・水 60g
酒種の作り方
【1番種】
生米・ごはん・米麹・水を、清潔な瓶に入れてよく混ぜ合わせます。
6時間ごとにかき混ぜながら48時間、発酵させます。
上:1番種 24時間経過
シュワシュワと気泡が出てきました。
甘酒のような甘い麹の香りがします。
下:1番種 48時間経過
気泡が増え、種がトロトロと水っぽくなっています。甘酒が少し進んだ時のような香りがします。味は甘酸っぱく、まだ甘みが強いです。
【2番種】
前種・ごはん・米麹・水を、清潔な瓶に入れてよく混ぜ合わせます。
6時間ごとにかき混ぜながら24時間、発酵させます。
2番種 24時間経過
かなり気泡が多くなって、アルコールの香りもしてきます。
味は酸味も甘味もあり、少しピリッと微炭酸を感じます。
【3番種】
前種・ごはん・米麹・水を、清潔な瓶に入れてよく混ぜ合わせます。
6時間ごとにかき混ぜながら24時間、発酵させます。
3番種 24時間経過アルコールの香りがはっきりとしてきます。甘味は少なくなり、酸味が増してきます。
【4番種】
前種・ごはん・米麹・水を、清潔な瓶に入れてよく混ぜ合わせます。
6時間ごとにかき混ぜながら24時間、発酵させます。
4番種 24時間経過
このまま冷蔵庫で一晩休ませます。
翌日 完成!
強いアルコールの香りがして、舐めるとしっかりした酸味があります。
甘味はもうほとんどありません。
5日〜1週間ごとに種継ぎして育てます。
【種継ぎ】
前種、ごはん・米麹・水を、清潔な瓶に入れてよく混ぜ合わせます。
材料の配合は4番種と同じです。
6時間ごとにかき混ぜながら24時間、発酵させます。
冷蔵庫に入れて保管し、翌日以降に使用します。
酒種の使い方
具体的な使い方は、加水の一部を酒種に置き換えて使用します。
作るパンにもよりますが、粉量に対して10~20%程度。
例)水分量180gのレシピで、酒種を20%足して作りたい場合、
水分量180g内訳を(酒種36g + 水144g)とする。
酒種は、溶けきっていない米麹などが含まれるので、厳密には全てが水分ではありませんが、酒種自体の量がそんなに多くは無いので厳密に計算していません。混ぜ合わせてみて、固ければ少し水分を足して調整しています。
【YouTube】 酒種作り
酒種を使った他のレシピについて
フワフワの食パン、本格中華まん、他にも菓子パンなどなど
酒種シリーズのレシピはまた改めて紹介していきたいと思います。