【名画の詩集】別離~オフィーリアside A~(ルドン「オフィーリア」より)
おひさま色の金鳳花
同じくらい眩しかった
幼い日の笑顔
陽の光を浴び
透き通った水だけを与えられて
汚れを知らずに大人になった
純白の雛菊よ
誇らしかった
ただ愛しかった
思い描いた幸せな絵の中で
いつまでも笑っていると思っていた
花は枯れると
なぜ人は気付けないのだろう
別れの日が決まっていないだけなのに
認めたくなくて 逸らした鼻先に
朱い芥子を突き付けられて
ようやく死の香りを嗅ぐのだ
ああ 花を
もっと花を手向けてくれ
私の愛すべき妹
優しい記憶の花びらだけが
別離の傷を覆い 癒す
だが 潜んだ勿忘草は
いつしかイラクサに変じて
我が身を縛るだろう
「私を忘れないで」
後悔は伸び続け やがて喉を締めて
悲しみの叫びをも封じるだろう
誰かが 何かが
貞淑な乙女を死に追いやったのだ
無自覚な犯人達は
認めずに生き延びている
今も
私も 奴らと同じか……
沈黙の沼に沈み
お前の最期の顔を
心の水辺に浮かべて
ただ賛美し続ける
さらば
優しき娘
麗しの君
我らの
香しい五月の薔薇
(著作権フリーの画像を掲載しています)
「オフィーリア」で二作、詩を書いてみました。
この side Aは、by オフィーリアの兄、レイアティーズ(シスコン)
side B は、こちら⬇️
by オフィーリア本人(激白)
オフィーリアの死に至る経緯(シェイクスピア「ハムレット」)を、ざっくりとこちらで紹介しています⬇️
絵に描かれている花の花言葉も、リストにしました。
ハムレットと光源氏には、言いたいことがあります。
「お前ら、王子(生まれが皇子)だからって、いい気になるなよ!」
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