【興味・得意を伸ばす⑧】得意を伸ばした結果得られたものと気になること
【興味・得意を伸ばす②】の例で出てきたAさんが得意を伸ばした結果、得られたものは非常に大きいのですが同時に少しながら気になることも見られるようになりました。そのことについて挙げてみます。
■Aさんが得られたもの
・Aさんは研究を通じて知り合った研究者の方々に、初めて研究結果や考察を聞いてもらえたことで、ようやく自分の考えを理解をしてもらえたと感動していました。
・ある研究者の方は、Aさんの興味の偏りや過集中の傾向について「自分たちも昔は君と同じだった」「君と同じような人がたくさんいて、その変わったところが評価される場所(大学)があるからそこに行くといいよ」と言ってくれました。Aさんはありのままの自分が評価してもらえる場所があることを知り、将来の希望の一つになっているようです。
・Aさんは集団の前に出ると固まりやすい傾向があります。しかしポスター発表のような形で一対一で研究者の方々と交流してみたところ、長時間の質疑応答や議論を続けることができました。このことはAさんにとって非常に興奮する出来事になったとともに、大きな自信となったようです。
■気になること
・Aさんは以前から自分の興味が周囲と違うことについて気にしていましたが、自身が研究に力を入れるほど、周囲と興味が異なることについてはさらに気にするようになっているようです。
・たとえば、Aさんは夏休みの自由研究に研究結果をまとめたものを提出しているのですが、空気が違うことを感じるようになり来年以降はみんなと同じようなものを自由工作で作って出したいと言っています。
・また、Aさんは恥ずかしいし理解してもらえないからという理由で、先生以外には研究のことを一切話しません。このことも変わらずのようです。
■保護者にとって
・保護者は、Aさんが研究成果を出し自己肯定感を身につけていることを非常に喜ばしく思い、今後も好きなだけ研究できるよう応援していきたいと考えています。
・しかしそれに伴い、研究に必要な機器等の費用負担や、仕事をしながらの研究場所への送迎(時期によっては連日)が必要となっているようです。