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読んだ本

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私が読んだ本の記録です。
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#フォーカシング

壺イメージ療法の技法の実際

壺イメージ療法の技法の実際

現在九州大学で奉職されている、田嶌誠一先生の開発した「壷イメージ療法」について取り上げてみたいと思います。

この技法は、重篤な精神病水準のクライエントさんにも安全な技法です。

田嶌先生は、私が若い頃から一番尊敬してきた臨床家の一人と言ってよく、最近に至るまで、酒席も共にさせていただき、先生の最近のライフワークである「児童施設内暴力に対する安全委員会アプローチ」を含めて、その臨床的叡智を学ばせて

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私の書いた「入門・フォーカシング」、「エヴァンゲリオンの深層心理」無料でお送りします。

私の「入門フォーカシング」と「 エヴァンゲリオンの深層心理」、手元に著者献呈本がまだかなりありますので、ご希望の方には無料でお送りします。
冊数明記の上、

kurumefocusing@mbr.nifty.com

までメールいただければと思います。

フォーカシングとは、実はシンプルなものである

フォーカシングとは、実はシンプルなものである

ケビン・マケベニュさんの「ホールボディ・フォーカシング」に、次のように書いてあります。

「私は、私たち自身の内側にあるものこそが、どんな権威よりも、私たちの人生を癒すために必要な多くのことを知っているということを繰り返し確かめることができました」(訳書pp.2-3)

私は、通常、フォーカシングの「指導」と、「通常のカウンセリング」を、完全に別のものとみなしています。

1.私のカウンセリングル

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スイスの宗教的エッセイスト、「幸福論」のヒルティとフォーカシング

スイスの宗教的エッセイスト、「幸福論」のヒルティとフォーカシング

最近自分でもやっとはっきり気がついてきたのは、

「ひとつの対象にずっとのめりこむ」とエネルギーが容易に枯渇する、

という、当たり前のことです。

「仕事の対象を分散させ、一度にでなく、少しずつ、代わる代わるにやるのがいい」

これは、スイスの宗教家、カール・ヒルティが幸福論(第1部)「幸福論」第一巻の

「仕事の上手な仕方」という、「幸福論」の中でも、ドイツ語の教科書として使われるくらいに有名

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夢とフォーカシング ―からだによる夢解釈ー

夢とフォーカシング ―からだによる夢解釈ー

 夢分析というと、夢の中に出たきた題材について、まるで辞書を引くかのように「象徴解釈」するものであるというイメージが、多くの方には強いのではないかと思う。

 本書で示された夢へのアプローチは、そうしたありがちな夢分析の本とは全く性質が異なる。原著のタイトルに、"Let Your Body Interpret Your Dreams"(あなたの身体に夢を解釈してもらう)とあるがごとく、16の質問を

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夢フォーカシングのコツ

夢フォーカシングのコツ

日本における夢フォーカシングの紹介は、比較的早く、「夢とフォーカシング」(原題が"Let Your Body Interpret Your Dream".....「自分の身体に夢の解釈をしてもらう」)翻訳に続いて、池見陽先生編で、実は私も分担執筆している「フォーカシングへの誘い」に、森あい子さんによる、大変わかりやすい、迫真的かつユーモラスな(?)実例が掲載されています。

しかし、インタラクティ

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インタラクティヴ・フォーカシングについて

インタラクティヴ・フォーカシングについて

カウンセリングの学習においては、「傾聴」や「共感的理解」ということがひたすら強調される。そして、ロジャーズの来談者中心療法のオリエンテーションが強いロールプレイや事例検討会の場で、「それであなたは十分に相手に共感しているのか?」的な叱責がなされたり、「私は十分に相手に共感できない」ことに思い悩む、カウンセリングの初学者は未だに少なくないのではないかと思う。

正直に言って、カウンセラーの側は「理解

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アン・ワイザー・コーネル 著 :「すべてあるがままに -フォーカシング・ライフを生きる-」("Radical Acceptance of Everything")

アン・ワイザー・コーネル 著 :「すべてあるがままに -フォーカシング・ライフを生きる-」("Radical Acceptance of Everything")

まず最初に申し上げれば、著者のアン・ワイザー・コーネルさんは、私の海外の師匠です。(上はカナダで開催された国際フォーカシング会議での写真)

アメリカのフォーカシングの名教師、アン・ワイザー、コーネル女史による本書の原題は"Radical Acceptance of Everything"である。この"Radical"という言葉の含蓄と、邦題の「すべてあるがままに」という語感には著しいギャップがあ

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