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魚、ハンパないって。

※今回の表紙プロンプト
「天から魚が降る。喜ぶ人々。」
こわあ。

カント オㇿ ワ ヤク サㇰ ノ アランケプ シネプ カ イサㇺ
(天から役目なしに降ろされたものはひとつもない)

野田サトル『ゴールデンカムイ』より

アイヌ民族は、この世のすべてのものは、カムイが姿を変えて人間の世界に降り立ったものだと考えているそうで。

この世界は人間とカムイが互いに影響を与え合って成立しているのだと。

人間が作った道具でさえカムイであると考えて大事に使っているという。

めちゃくちゃ素敵な考え方だと思う。

「種の存続」さえ叶えば任務完了であるにも関わらず、良くも悪くも賢くなりすぎたホモサピエンスとして生まれてきてしまった以上、「この世界をどう解釈するか」の選択は楽しみたいと思っている。

突き詰めれば全て理屈で説明がついてしまうこの世界を、どう解釈すれば1番素敵な人生になるか。それを考えることを可能にしてくれたのが人間の「想像力」であり、その活動を保証してくれるものが「信仰の自由」なんだと思う。

『天から役目なしに降ろされたものはひとつもない』

あの恐ろしいヒグマでさえも、アイヌの人々は「キムンカムイ(山の神)」と呼び、肉や毛皮を人間に届けてくれる存在として敬われている。

そう考えると、魚ってハンパないと思う。

魚、ハンパないって。

あいつらめっちゃ美味いやん。

そんなんでけへんって普通。

魚という存在を自分なりにアイヌっぽく解釈してみると、魚は人間が生きていくために必要な栄養を蓄えて、かつ人間がそれを進んで食べることができるように、「美味しい」という特徴を持ち合わせたうえで、この世界に降り立ったカムイだ。

いやこの「美味しい」って部分を持ち合わせてるの神ってるだろ。カムイだけに。

人間が頼んだわけでもないのに、なんでこんなに美味いん?他の肉とか野菜とは一線を画していると思ってる。

例えば、あなたが牛ヒレのステーキを食べて感動していたとする。こんなに美味しいものは他にないと。

それはそうだ。だってそれは人間様が「美味しくなるように」と血汗涙を流して改良を重ねた牛さんのお肉だからだ。

先に申し上げておくが、それ自体を批判するつもりは全くない。牛柄のボディペイントで「肉を食べるな!」とマクドナルドの前で叫ぶつもりなど当然ない。

美味しいお肉を我々に届けるために、日々研究や飼育に精を出す方々にはリスペクトしかない。いつも美味しいお肉をありがとう。

何が言いたいかと言うと、その点、人の手が一切加わっていないお魚さん、やっぱりハンパないって、ということだ。

人に食べられることなんて1mmも想定せず、ただ海を泳ぎ回っている彼らは、なぜこんなにも日本酒と合うのだろうか。

確かに養殖技術が進歩している今の時代、人の手を介して美味しくなっている魚も沢山いるだろうが、それでもなお、他の肉や野菜と比べて、圧倒的に天然ものの比率が高いのが魚だろう。

なんなん。ほんとは食われたいのかな。
人間に食って欲しくて美味なってんのかな。
人間に食われたいカムイが大量に海にいるってことなんかな。

アジとか、あんな簡単に釣れるのに、生でよし、焼いてよし、揚げてよし、、、もう変態だろ。

北海道とか堤防から天然のシャケ釣れるからね。
メスだったらイクラ入ってたりして。
なんですか、海の中で良質なエサ撒いてるちっちゃいオッサンが実はいるって話なんですか?

なんでせっかくの日曜日にこんなことを書いてるのか、自分でもよく分かりませんが、とりあえず昨日スーパーで天然のアジ買ってきて、なめろうにして日本酒と合わせたら、なんかもう全部どうでもよくなるくらい美味しくて。ちょっと泣いた。

誰かしらに感謝したいけど、釣ってくれた漁師さんとか、入荷してくれたスーパーの担当者くらいしか伝えるべき人がいなくて。

本当の意味で、肉とか野菜みたいに生産者さん的な人が魚の場合はいないから。

結論、魚はコーンフレークくらい誰に感謝していいのか分からん話でした。強いて言うならカムイかな。ぎょぎょっ。

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