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飛び出せ、春
ねぇ、このままじっとこうしているの?
いったいいつまでここにいればいいの?
もう出て行ったっていいでしょう?
あれから随分経った気がする
冷たさや淋しさも我慢してきて
けっこう辛いのこらえていたし
どうにかしたいと思っていたし
何も言わずに ずっと待ってた
目をつむって ただ眠ってたんじゃない
この時のために準備してきた
今もこうして確かに生きてる
だからもう 心配なんてしなくていいよ
さぁ、春へ飛び出すよ
***
啓 蟄
二十四節気のひとつ
3月6日ごろから3月20日ごろのこと
(旧暦で1月後半から2月前半のころ)
次の節気である“春分”の前日まで
“ 啓 ” は開くという意
“ 蟄 ” は虫などが 土中に隠れ閉じこもること
“ 啓蟄 ” は
『冬籠りの虫が地中から外へ這い出る』という意を表す(土を開き外へ出てくる)
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太陽太陰暦で一年を二十四に区切り
季節を正しく示すために用いた語
春: 立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨
夏: 立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑
秋: 立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降
冬: 立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒
“ 啓蟄 ” は 3月の初旬、花や虫、生き物たちが春の訪れを感じ、動きはじめる頃
自然も人も本能で 同じように春を感じています
何かを感じ、何かに気づき、行動を起こす
転じて、啓蟄には “(人が)世に認められる” という意味もあります
春は さまざまな節目でもあり、あらゆる成長を感じられる季節でもありますね
自ら踏み出す一歩、
それを無理に止めることなんて きっと誰にもできないのです
*
家族が 異国へ旅に出ています
そんなことができるようになったんだなぁ って
いろんな意味でしみじみします
いくら時差があったとしても、朝と夜とが逆転してても、 “今”という同じ時空でちゃんとつながってはいるのだけれど
やっぱりまだまだ 距離と不安は比例します
これまで静かに堪えてた苦しい葛藤、
今どうしてもそうしたいという意思、
これからも頑張っていくという決意、
そんな思いはいつしか胸の内側で大きくなっていて
春になって飛び出しました
ああ、啓蟄…
そんな感じで重なりました
駅には 大きなスーツケースが行き交っています
明日からはマスクの着用も緩和されますね
今年は 野外で集うお花見も許されるようで
人混みは苦手なので 少々複雑ですけれど
みんなこの時を待っていたのですよね
わたしもモゾモゾし始めてます
*
春が加速しています
ここ数日、東京も20℃を超える暖かさ
街にも とりどりの花が咲いていました
わたしはクシャミが止まらなくって…
しばらくはマスクがはずせそうにありません
それでも 明るい空の淡いブルーが清々しくて
静かで穏やかな週末の朝
口ずさむのは ミニー・リパートンの
『 Lovin’ you 』
春の空へ 大切な人を思い浮かべたり
春空の下で 大好きな人と手をつないだりして
みなさんも聴いてみてください
さらにもう少し あたたかくなるかもしれません
どうぞ よい一日を、よい一週間を
#101. 『 啓蟄 』
⭐︎ きみの鼻をなぞりし指 つつがなき啓蟄の旅 天に祈りて
⭐︎見上げれば青空へ泡立つように春へ弾ける白木蓮よ
ー ちる ー
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