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探鳥会レポート<I地区の田んぼ編>2/2話 2022年10月 セグロセキレイを独占。

    先日、ゆる支部の探鳥会に参加してきました。
 場所はI地区の田んぼです。

 舞い降りた猛禽の姿に参加者はざわつきました。

 ノビタキが猛禽に襲われてしまうと心配した人がいたかもしれません。
 猛禽好きの人が喜んだのかもしれません。
 そんな感じのざわつきでした。

 役員はなんでもないという口調で
 「あれはノスリです」
 「この辺に住んでいてよく来ます」
 さらに続けて
 「ネズミを狙うので、ノスリが来てもノビタキは逃げません」

 目の前には、木の柱の上にノスリ。
 その周りを飛び交うノビタキ。

ノスリ。
野を擦るように飛ぶからノスリ。

 なるほどと参加者は安堵したのでした。

 猛禽好きの参加者がいて、低姿勢でじりじりと接近を試みましたが、ノスリはパッと飛んで逃げてしまいました。
 あー、やっぱりね……と、その様子を横目に、参加者は前へ進みました。

 I地区は田んぼも多いのですが、花農家の菊の花畑もありました。
 ただ、ノビタキは菊には止まりませんでした。

 花と一緒に鳥を撮りたい人がいて、ひとり悔しがっていました。

 その人の口調はわりと乱暴だったのですが、ゆる支部の人たちは「またまた~」という感じで軽く流していて、なんだか懐が深い人たちだと感じました。

 探鳥会ご一行は稲が揺れている田んぼや、休耕田の草を観察していきます。

 ノビタキの足は細い物をつかむのにいいみたいで、草などによく止まっていました。
 でも、太い物でもかまわないらしくて、トラクターの上にいたり、はさがけの木の柱の上にいたりしました。

 I地区、ノビタキだらけでした。

 道をずっと進んでからUターンして引き返しました。
 帰りは川側の林を見ながら戻りました。

 途中、川の方へ猛スピードで飛んでいったのがキジだったり、シジュウカラの混群が来て楽しませてくれたりしました。

 集合場所に戻ってきました。
 早く戻った人たちで川にいる鳥を観察しました。

 河原にいるセグロセキレイを見つけたところで
 「鳥合わせをやりま~す」
 と、声がかかりました。

 鳥合わせとは、みんなで見つけた鳥をあげていき、今日観察できた鳥を確認し合う作業です。
 「ノビタキを見た人」「はい」
 「ノスリを見た人」「はい」
 こんな感じです。

 鳥の名前は役員が用意した鳥の一覧表をもとに進めます。
 この日に見られそうな鳥を選んで一覧にしてある、今回限りのゆる支部特製品です。

 会長が
 「セグロセキレイを見た人」
 と、言ったとき
 「はい」
 ここで挙手をしたのは私だけでした。

 「セグロセキレイ、いました?」
 会長に改めて聞かれたので、後ろの川を指し
 「その辺で」
 ざっくり答える私。

 鳥合わせには本来なら複数の証人が必要です。
 えっと、写真なら撮ったけど……と、カメラに手を伸ばしたところ……

 「セグロセキレイ、いました!」

 他に証人がいませんでしたが、セグロセキレイをカウントしてもらえました。
 まぁ、セグロセキレイならあちこちにいるので疑う理由がなかったからかもしれません。

撮ってあったけど小さい。
セグロセキレイ。

 ゆる支部……ゆるくて、懐が深い。
    「なんて気持ちのいい人たちだろう」というセリフが浮かびました。

 鳥合わせが終わって、みなさんに挨拶をして、解散となりました。


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