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【イベントレポート】ガザ出身シェフとパレスチナ料理を作って食べよう!(2024年8月24日開催)【レシピあり】

こんにちは、ちきゅうのだいどころの山内です。先日、2024年8月24日に「ちきゅうのだいどころ 第1回 パレスチナ編〜ガザ出身シェフとパレスチナ料理を作って食べよう」を開催しました。おかげさまで19名の方々にご参加いただき、大変充実したイベントとなりましたので、その様子を皆さんにお届けします!

シェフと一緒に集合写真

「ちきゅうのだいどころ」とは?

「ちきゅうのだいどころ」は、「料理を作って世界とつながる」をテーマに、幅広い層を対象に、楽しみながら異文化や社会問題への関心を深めるための料理イベントを企画・運営する団体です。料理を作りながら、普段はなかなか接することのできない国や地域の文化に触れ、地球の遠く離れた場所で起きている問題も身近に感じていただければと思い活動しています。

みんなで同じテーブルでの料理することをイメージしたロゴ

イベント概要

今回の「第1回 パレスチナ編」では、ガザ地区出身でロンドン在住のシェフOmarさんをZoomでお招きし、日本にいる19人の参加者と一緒に、パレスチナの伝統料理である「マクルーバ(パレスチナの炊き込みご飯)」と「クナーファ(チーズデザート)」を作りました。

チームで料理を楽しみました!

イベントの主な目的は、料理を通じてパレスチナの文化を知ってもらうこと。そして、現在厳しい状況に置かれているパレスチナ・ガザ地区への寄付を集めることです。参加費と寄付額のうち、実費を除いた全額はガザにいるシェフOmarさんの家族に寄付します。パレスチナのことをよく知る人も、全然知らない人も、料理だけ楽しみたい人も大歓迎!

参加者

幅広い年齢層の方々が参加してくださりました。お友達と参加されていた20~40代の方々や、お一人で参加されていた方も多かったです。中には親御さんと一緒に来てくれた中学生や高校生もいました!3〜4人で1グループとなり、皆さん協力しながら料理を楽しんでいました。

イベントの内容

Zoomでの挨拶と自己紹介

18時ちょうど、いよいよ参加者が集まり、イベントがスタートしました。まずはロンドンにいるガザ出身Omarシェフからの自己紹介。

川崎の会場とロンドンの厨房を繋ぎながらのレッスン

Omarさん「日本のみんな、こんにちは!今日はこのチャリティーイベントに来てくれてありがとう。ガザにいる私の家族たちは、残念ながらこのマクルーバを食べることはできないけれど、彼らのことを思いながら、祈りながらこのマクルーバを作りたいと思います」

元気な笑顔がトレードマークのOmarシェフ。他にも、シェフを目指した経緯や今回作る料理についてお話をしてくれました。パレスチナ人の話を直接聞くのは初めてという参加者の方も多く、皆さん真剣に耳を傾けていました。

その後、各グループ内で自己紹介を行い、和やかな雰囲気の中でイベントがスタートしました!

マクルーバの調理を開始!

さて、最初の料理は、パレスチナの伝統的な炊き込みご飯「マクルーバ」。野菜を切って揚げ、鶏肉をスパイスでマリネして焼き、それらを層にして鍋に詰めて米と一緒に炊き上げるという、手間のかかる料理です。

Omarさんからのアドバイスを受けながら、参加者たちは各グループに分かれて調理を進めていきました。事前に作ったレシピを読みながら作業を進めていたものの、Omarさんの指示はレシピとはだいぶ違うことに…!
想定外の事態にも関わらず、参加者の皆さんは柔軟に対応してくれました。

Omarさん「この中に料理人としてフルタイムで働いている人はいるの?みんなあまりに野菜を切るのが上手だから、料理人かと思ったよ!」

参加者の方々の手捌きに驚くOmarさん。料理人の方はいませんでした(笑)
Omarさんを驚かせた手捌き

特にお米の処理方法については、Omarさんがおばあちゃんの秘伝のアドバイスを教えてくれました。先祖代々伝わるマクルーバのレシピを教えてもらえるなんて、何とありがたいことでしょう…!

料理中には、参加者の方同士の会話も自然と生まれ、中には直接Omarさんに質問をする人も出てきました。料理を通じて各々の心の距離が縮まる様子が見てとれました。この時間がまさに「ちきゅうのだいどころ」のテーマである「同じ台所をシェアしている」を体現していた瞬間だったと思います。

切ったトマトや揚げたナス、マリネした鶏肉、お米を敷き詰めた鍋はこんな感じ。どんな風に炊き上がるかワクワクします。

クナーファの調理

次に取りかかったのはデザートの「クナーファ」。カダイフという細長いパスタ生地をフライパンに敷き詰め、その上にチーズを乗せてじっくりと焼き上げる、甘くて香ばしいデザートです。

Omarさん「クナーファはパレスチナ人にとってのソウルフードだよ。パレスチナ人なら誰でもクナーファは大好きさ!きっと日本人にとっての寿司のようなものだね」

細かくちぎったカダイフを、拳や手のひらを使ってフライパンに押し付けながら敷き詰めます。

みんなでフライパンにカダイフを押し付ける

そしてチーズを乗せて、いざ調理を開始。弱火で常にフライパンを回しながらゆっくりじっくり焼いていくのが、美味しいクナーファを作るコツだそう。

ひっくり返しタイム!

コトコトと炊いたマクルーバがいよいよ完成!マクルーバは最後に鍋をひっくり返して中身を出すところが最大の見せ場です。各グループが協力して鍋をひっくり返す準備に取り掛かります。

鍋をひっくり返し、底をドコドコと叩きます

大きなバットの上に鍋をひっくり返したら、鍋の底を使ってドラムロールタイム。そしてカウントダウンをして、いざオープン!

「いい匂い、美味しそう!」
「ご飯のケーキじゃん!」
「すごーい!」

どのグループも綺麗な層になっているマクルーバができ、大歓声が上がりました!この瞬間は間違いなくイベントのハイライトでした。

そして同じくクナーファもお皿を使ってひっくり返しました。弱火でじっくり火を通したクナーファは黄金色に輝いていて、とても美味しそう…!

ピスタチオとシロップを乗せて完成!

料理を楽しむ時間

ついに!待ちに待った試食の時間です。

「スパイスが効いていて、お肉も柔らかくて美味しい!」
「マクルーバは世界の幸せを詰め込んだような味がする」
「クナーファは甘さたっぷりで背徳感がすごいけど、最高…!」

料理にだいぶ時間がかかってしまったので、長い時間が取れなかったのですが、参加者の皆さんがパレスチナ料理の奥深い味わいに感動している姿をたくさん見ることができました。

あまりの美味しさに笑顔が溢れます

余った料理はタッパーに入れて持ち帰っていただきました。ご自宅でももう一度、パレスチナとのつながりを感じてもらえたら嬉しいです。

シェフとのお別れ

最後は、Omarシェフとお別れの時間です。皆さんから感謝の言葉が送られ、Omarさんも「また一緒に料理を作りましょう!」と、笑顔で答えてくださりました。

Omarさん「日本にいるみんなと料理を作ることができて本当によかったよ。マクルーバをひっくり返して楽しむ姿は、8歳のパレスチナ人と同じようだった。僕ら人間は同じ仲間だっていうことを再認識したよ」

Omarさん「みんな本当に親切だったし、チームワークがすごかったね。日本のみんなはすごいよ。今度日本でリアルで料理教室するのを楽しみにしてるね。みんなにも日本食を教わりたい!」

イベントを振り返って

今回のイベントは、パレスチナの現状に思いを馳せながら、料理を通じて世界とつながるという貴重な体験となりました。初めての試みであったため、時間の調整がうまくいかなかったり、スケジュールが押してしまったりする場面もありましたが、それでも参加者の皆さんのご協力のおかげで、無事にイベントを終えることができました。

「こんなに楽しい料理は今までにない。来て良かった!」
「いろんな国に行ったことがあるが中東には馴染みがなかった。今日美味しい料理を食べて、この文化が本当に続いてほしいと思った」
「料理が美味しかったし、自分で稼いだお金が、ガザの人たちのために使われるのは嬉しい。ガザの状況もこれからも気にかけていきたいと思う」

参加者の方々のコメント

次回の「ちきゅうのだいどころ」では、また別の国や文化をテーマにした料理イベントを企画しています。今回参加できなかった方も、次回はぜひ一緒に世界の料理を楽しみながら、同じ地球の遠くの場所や人とつながる体験をしていただければと思います。

お読みいただき、ありがとうございました!

レシピを購入して寄付ができます!

今回のイベントで学んだマクルーバとクナーファのレシピを購入すると、ガザ地区にいるOmarさんの家族を支援することができます。
note側に支払う手数料を差し引いた全額を寄付します。ぜひコーヒーを買うような気軽な感覚で寄付をしつつ、ご家族やご友人と一緒に、この特別な料理を楽しんでいただけたら嬉しいです!

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