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おうちで中華 - 乾隆白菜(胡麻だれ白菜)

今回は、白菜さえあれば作れる、簡単でむちゃむちゃ美味しい北京料理の前菜をご紹介しよう。乾隆白菜(胡麻だれ白菜)だ。

ちぎった白菜の葉に胡麻だれをからめるだけ。地味だが、これが旨い。胡麻だれの塩気と甘味と酸味のバランスが絶妙で、箸が止まらなくなる。


乾隆白菜
Qiánlóng báicài

乾隆白菜(胡麻だれ白菜)

まったりねっとり。この粘度がポイントで、胡麻だれドレッシングで同じことをやってもたどり着けない境地だ。我ながら会心の出来栄え。家族三人で争うようにして食べた。

因みに、料理名の由来は、清王朝の皇帝・乾隆帝がお忍びで街に出た際、この料理を食堂で食べて激賞したからとされているが、典型的な「乾隆帝構文」なので、僕は全く信じていない。

乾隆帝は清王朝の最盛期を創出した中国史上有数の名君だから、料理に箔をつけるにはもってこいの人物だ。また、治世中に領内をあちこち巡行したので、「〇〇に来た時に食べた」という話を作りやすい存在なのだろう。

だからか、これと同じように「乾隆帝が食べて気に入った」とされる料理が中国各地に存在する。あまりにも由来がワンパターンなので、僕は「乾隆帝構文」と呼んでいる…というわけだ。

ま、由来はともあれ、料理は美味しければ正義だ。その意味で言うなら、この乾隆白菜は大正義。一度作ればハマること請け合いだ。

黒胡麻を散らすのは、北京の名店・海碗居リスペクト。

胡麻だれに必要な芝麻醤(胡麻ペースト)は、今の時代、中国の老舗のものが通販で買える。本場の味が身近になりましたなあ。

この冬、是非お試しください。

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