見出し画像

おうちで中華 - 芥末墩児(白菜のからし漬け)

今回ご紹介するのは、北京料理の冷菜。とんでもなく個性的な見た目と味わいだが、それだけに印象深い。北京の冬といえば、すぐに思い浮かぶ料理のひとつだ。その名も、芥末墩児(白菜のからし漬け)


芥末墩児 芥末墩儿
jièmò dūnr

芥末墩(白菜のからし漬け)

からしをたっぷり溶いた漬け汁に白菜を漬け込む。からしを使う料理自体が中国ではレアなのに、こんな大量に使うのは激レアだ。

当然、泣くほど辛い。だが、実は砂糖も入っていて、その甘さが絶妙のバランスを取る。なんと塩は使わない。不思議な料理もあったものだ。

因みに、芥末墩児の「墩児」とは、平たくてそこそこ高くて丸っこいもの…要は切り株みたいな形を意味する。白菜の芯を切り揃えた様子を表しているのだろう。

本当に辛いので、一枚一枚剥がして食べる。それでもひと口ごとにヒー!と叫ぶことになる。

叫んだあとは、白酒をグビリとやるのが北京の流儀。からしの強烈な刺激のお陰で、白酒がまろやかに感じて旨いのだ。日本なら、強めの焼酎を生(き)で合わせると似た雰囲気になるだろう。

何度か「ヒー!→グビリ」を繰り返していると、辛さがだんだんクセになってくる。辛いことには違いないのだが、その辛さが楽しみになるというか。マゾ的な愉悦である。

皆さんも、マゾの世界へいらっしゃい。

ここから先は

931字 / 3画像
この記事のみ ¥ 300

よろしければサポートをお願いします!頂いたサポートは食材と酒徒のやる気に姿を変え、新たなレシピとなって皆さまに還元される寸法です。