おうちで中華 - 香菇蒸滑鶏（椎茸と鶏肉の醤油蒸し）

Oggi 2024年4月号掲載レシピです。

蒸し物があると、食卓が華やぐ。皿から立ち上る湯気が、物理的な温かさだけでなく、心にも温かさを運んできてくれるような気がする。

今日ご紹介するのは、広東の家庭料理・香菇蒸滑鶏（椎茸と鶏肉の醤油蒸し）。何年も前に紹介した広式蒸鶏（広東式蒸し鶏）のシンプル版で、日本でもありふれた食材だけで簡単に作れるので、是非お試しいただきたい。

香菇蒸滑鶏　香菇蒸滑鸡
xiānggū zhēng huájī

香菇蒸滑鶏（椎茸と鶏肉の醤油蒸し）

鶏肉も椎茸も汁も茶色だが、異なる色合いが淡いグラデーションを生み、そそる雰囲気に仕上がる。

滑鶏の「滑」とは、つるりとした食感を表現している。粉をまぶして蒸すことでちゅるんとした感じに仕上がった鶏肉は、正に「滑」だ。

ふっくらとした椎茸が鶏肉の旨味を吸い込み、脇役とは思えぬ美味しさに。隠し味の生姜が、身も心も温めてくれる。

優しい醤油味の蒸しものなので、しつこさのかけらもない。ただ、しっかり食べ応えはあるので、汁ごとごはんにかけて食べれば、止まらなくなるはずだ…というのは、我が子の食べっぷりを見た上でのことだ（笑）。

作り方は簡単で、鶏肉に下味を付けて干し椎茸と混ぜ合わせたら、あとは蒸すだけ。蒸し料理というとハードルが高いと感じる方も多いようだが、手間も技術も必要ないし、失敗のしようもない。気軽にやって欲しい。