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ずっと、ママになるのが夢だった。

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妊娠〜の育児振り返りエッセイ。
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記事一覧

時間は流れていく。そして忘れていく。

時間は流れていく。そして忘れていく。

初めて子どもを出産してから、3年が経った。

出産してから子どもの睡眠が安定するまでの日々は本当に壮絶だった。

今まで生きてきた中で、あんなに寝れない状態が続いたことや、メンタルが落ちてるけど休めない状態が続いたことがなく、とても衝撃を受けた。

まあ、メンタルが落ちるのも当たり前だろう、寝れないんだから。
たとえば一般企業で、寝ずに働いてる社員がいたら、そりゃメンタルも崩れるでしょうね。なんて

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親子体操にて私のメンタル、死す。

親子体操にて私のメンタル、死す。

1歳7ヶ月になった息子は、集団行動が苦手のようだ。
よく児童センターに連れて行くのだが、そこでみんなで音楽にのせて踊る場面があっても、踊ったことなんてないし、嫌がって逃げる。
それでも、一日中わたしと二人でいるよりは、他の人との関わりが少しでもあった方が刺激になるだろうと思って、できるだけ外に連れ出している。

実家も遠方だし、保育園にもまだ通っておらず自宅保育なので、息子は関わる人が私と夫しかい

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名前に願いを込めすぎない。

名前に願いを込めすぎない。

2020.7
生後7日目。子に名前を付ける。

私は、ずっと前から自分の子どもの名前を考えていた。それは、お腹の中にいる赤ちゃんの性別が分かったときからでもなく、妊娠がわかった時からでもなく、そのずっとずっと前からだった。

「自分に子どもがうまれたらどんな名前にしたいか。」そんな話をして、友達とよく盛り上がったのは、小学生の頃からだったと思う。その頃から、「名前集め」をしていた。素敵だな、と思う

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母性は急に、生まれない。

母性は急に、生まれない。

産後5日目。退院の日。

病院に夫が迎えに来てくれた。出産の立ち会いも入院中の面会も禁止だったので、夫は赤ちゃんと初めてのご対面。

3170gの、まあ平均的な大きさの赤ちゃんだったが、今まで生まれたばかりの赤ちゃんを見た経験がなかった夫は、その小ささに驚いた表情をしていた。おろおろしながらも「ありがとう。」と私に向かって言った夫の目は、うるんでいた。

一方で私は、夫と赤ちゃんのご対面を見て、親

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産後センチメンタル。

産後センチメンタル。

生まれたばかりの赤ちゃんと、母子同室になる。

オムツの替え方や、ミルクのタイミング、抱っこの仕方を助産師さんに教えてもらう。
コロナで妊婦教室も中止になっていたし、出産前は出産のことで頭がいっぱいで、産まれた後のことについて全然頭が回っていなかった。

助産師さんが部屋から出て、初めて赤ちゃんと二人きりになる。
赤ちゃんを抱っこして観察する。
小さくてかわいい赤ちゃんが、時々片方だけ目を開けてい

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産後1日目のリアル。

産後1日目のリアル。

出産という人生の一大事をどうにか終えて、瀕死の状態で個室に戻った。

“子が産まれた!出産を終えた!”ということに興奮してなかなか眠れなかったが、助産師さんに、「母子同室になる前に少しでも休んでおいて。」と言われたため、どうにか寝た。

それでもアドレナリンが出ているのか、数時間しか眠れなかった。
短い眠りから起きて、身体の変化に気づく。

胸が痛い。脇の下から痛い。
胸が張っているという言葉では

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分娩室は圏外につき。

分娩室は圏外につき。

赤ちゃんが産まれた瞬間に、母は涙する。

オギャーと産声をあげた赤ちゃんを助産師さんが連れてきて、母の隣に顔を近づける。
「かわいい...!生まれてきてくれて、ありがとう......。」
そんなシーンを予想していた。

残念ながら実際は全く違った。

分娩時間も長かったため、疲労困憊でただただ、呆然としてしまった。
生命の誕生の瞬間を、そのときの感情を、嬉しさを、味わい尽くしたいと思っていたから、

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分娩32時間の格闘。

分娩32時間の格闘。

出産時の記録。
ずっと、ちゃんとした形にして振り返りがしたかったのだけど、なかなか振り返れずにいるうちにもう息子は1歳8ヶ月になっていた...。
当時のメモをもとに思い出してみる。

臨月。熟睡できない日が続いていた。
お腹が大きくなりすぎて、寝返りがうてない。何度も起きてしまう。妊娠してからの体重増加は10kgぐらいが目安のところ、17kgも太ってしまったから、それも理由かもしれない。
今考える

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生まれる命と亡くなる命。

生まれる命と亡くなる命。

実家の祖母が亡くなってから早いもので2年が経とうとしている。

いつか祖母とお別れしなきゃいけない日がくるということはわかっていて、それはいってみれば自然なことであって。覚悟はしていたつもりだったけれど、大切な人を亡くすことは本当に悲しく、寂しいことだなあと思う。

点滴で生きる祖母

祖母と最後に会ったのは、祖母が亡くなる3ヶ月前。わたしは妊娠5ヶ月だった。

80歳になる祖母は、病室にいた。

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つわりと電車と優先席。

つわりと電車と優先席。

職場までは、電車で40分ほどかかる。

妊娠したからといって、その時間は変わるわけではない。(ちなみに、コロナ前でリモートの概念はまだなかった。)
「どこでもドアがあればいいのに。」と、これほどまで強く思ったことはない。

電車の匂いが苦手だ。

それは妊娠する前からのことだったけれど、妊娠してから更に匂いに過敏になったのか、耐えられなくなった。気分が悪くなって、途中下車してしまい、泣く泣く会社に

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人は小さな点からはじまる。

人は小さな点からはじまる。

結婚してから2年半。
子どもは、なかなかできなかった。

毎日起きてすぐに基礎体温を測り、葉酸サプリも飲んだ。妊娠するために控えた方が良さそうなものは、控えた。
お酒は普段からあまり飲まなかったので楽に控えることができたが、毎日飲むのが日課になっていた、大好きなコーヒーを控えるのはちょっと切なかった。

婦人科にも通いはじめた。
夫と二人で不妊治療の流れについて説明をうけ、まずは各々検査を受ける。

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ずっと、ママになるのが夢だった。

ずっと、ママになるのが夢だった。

来月、育休が終わる。
妊娠してから出産、そして息子が1歳8ヶ月になった今まで、ドタバタと過ごしてきた気がする。

これまでの人生で、ある程度のことは経験してきたつもりだった。

18歳で実家を出て、大学入学、就職、結婚、転職と色々な人生の節目があり、その度に新しい土地へ移り、関わる人も変わってきた。

様々な変化があり、そのフェーズごとに思い悩むこともあったけれど、どうにか対応できた。
経験が増え

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