マガジンのカバー画像

美術の感想・批評

14
運営しているクリエイター

2022年7月の記事一覧

美術の歌(その1)

美術の歌(その1)

李禹煥(リー・ウーファン)は、「もの派」を牽引したアーティスト。もの派とは「石や木、紙、綿、鉄板といった素材をほぼ未加工のまま提示し、ものの存在自体、あるいはものと周囲との関係に意識を向ける」日本美術の動向(筧菜奈子『めくるめく現代アート』2016年、p110)。

普通、短歌でそんな存在感を持つ作家を引用すれば、一首の雰囲気がその作家に飲まれてしまう、つまりその作家の作品や雰囲気をただ散文化に劣

もっとみる