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塔の魔導師 free

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「君には魔導師の才能がある。」 奴隷階級の少年リンは、旅の魔導師ユインからそう告げられる。 その日からリンの魔導師を目指す旅が始まった。リンはユインに連れられて魔導師の街グィンガ…
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2017年1月の記事一覧

第25話「募るイライラ」

第25話「募るイライラ」

前回、第24話「クルーガからの勧誘」

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 リンが自習室に入るとまたユヴェンが現れてこっちに向かってくる。

 こんな風に毎日ユヴェンに絡まれるなんて。以前無視されていた頃を思えば隔世の感があるな、とリンは思った。

 しかも妙に顔が明るい。リンは嫌な予感がした。

「リン。聞いたわよ。あなた奴隷階級なんですってね」

(あーあ、バレちゃったか)

 リンはうんざりした。

(誰だよ。

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第24話「クルーガからの勧誘」

第24話「クルーガからの勧誘」

前回、第23話「リン、ユヴェンに監視される」

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 リンとテオは水曜日の昼にいつもする通りレンリルの安い食堂でエリオス達と昼食を取りに行った。

 リン達が食堂に顔を出すとすでにエリオス達が席を取っていた。

「リン、テオ、こっちよ」

 シーラが手を振って二人を呼び寄せる。二人が近づくとそこにはいつもはいない人物、クルーガがいた。

「よっ。指輪魔法の達人さん」クルーガがリンに対して

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第23話「リン、女の子に監視される」

第23話「リン、女の子に監視される」

前回、第22話「ヴェスペの剣」

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 リンは学院初等クラス用に設置された図書室を訪れていた。次の授業に備えて予習するためだ。

 何せ冶金魔法のスリヤ先生は早口で授業を進めるのがとても早い。しかも突然問題をあててくる。

(授業についていくためにきっちり予習しなくちゃね)

 図書館の自習室は広くいくつも席が空いていた。学院初等部の図書室はレンリルの図書室に比べて随分と施設が充実してい

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第22話「ヴェスペの剣」

第22話「ヴェスペの剣」

前回、第21話「指輪魔法の授業」

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 指輪魔法の実技授業も終わりにさしかかりつつあった。ほとんどの生徒は実技を披露し終えて、残っているのはリンだけになった。

 教室には弛緩した気怠げな空気が流れていたが、リンだけは『ルセンドの指輪』に久しぶりに触れることができる高揚感に胸を高鳴らせていた。

「あら、リンの番が来たみたいだわ。リーン、頑張って〜」リンが指輪の前に進み出ているのを見て

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第21話 指輪魔法の授業

第21話 指輪魔法の授業

前回、第20話「マグリルヘイムのスカウト」

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「指輪魔法は文字通り指輪に嵌め込まれた宝石の力を使って発動する魔法です。杖は魔導士の剣、指輪は魔導士の盾と言われており、このことから指輪魔法は魔導士の基礎的な能力を測るのにも最適なものです。そこ! 授業を聞きなさい」

 ウィフスが授業を聞かずに何やら手元でゴソゴソしている生徒を注意する。彼はこれから行われる実技に備えて何か悪あがきをして

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第20話、「マグリルヘイムのスカウト」

第20話、「マグリルヘイムのスカウト」

前回、第19話「隠者の助言」

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「55階、第2競技場へ」

 魔法語でそう唱えるとリンとテオを乗せたエレベーターが音を立てて動き出す。リンとテオは指輪魔法の授業が行われる教室に向かっていた。

「今日はいつもと違う場所でやるんだな」

 テオが学院の書の教室変更連絡を見ながら言った。

「今日は実技があるらしいよ。ほら科目要項に書いてある」

「なるほど。それで競技場を使うのか。よう

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第19話「隠者の助言」

第19話「隠者の助言」

前回、第18話「握られた手」

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「なに? 貴族の女が気になるだと」

 シャーディフはしばし作業の手を止めてリンの方を向いた。その表情は呆れ果てているといった感じだ。

「やめとけ。やめとけ。身分を超えた恋愛なんてやるもんじゃねーよ。めんどくさいだけだ」

「はあ」

 リンは気の無い返事をしながら目の前の機械に配線を繋ぐ。リンとシャーディフは機巧魔導の授業を一緒に受けているところだ

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第18話「握られた手」

第18話「握られた手」

前回、第17話「スクールカースト」

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 ある日、リンとテオが次の授業の教室に移動するため廊下を歩いていると向こう側から歩いてくるユヴェンとすれ違った。

 こういうことはしばしばあった。

 ユヴェンは二人とは異なる授業をたくさん受けていたが、まだお互い初等クラスなこともあって教室は近いため、教室移動しているとしばしばすれ違うのだ。

 ユヴェンは例の如くテオに絡んできた。

「あら

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第17話「スクールカースト」

第17話「スクールカースト」

前回、第16話「学院魔導抗争」

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 学院に入学して1ヶ月。

 リンとテオは相変わらず試験と課題に追われる日々を送っていたが、それでもずいぶん慣れてきて幾らか余裕が出てきていた。

「今日は物質生成魔法の授業だな。課題終わってるか?」テオが学院の書を開いて歩きながら、リンに話しかける。

「あと最後の仕上げだけ。休み時間のうちに終わるよ」

「じゃ、教室でやれるな。早めに行って席とっ

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第16話「学院魔導抗争」

第16話「学院魔導抗争」

前回、第15話「学院生活」

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「急ぐぞ。授業前に試験範囲見直しとくんだろ?」テオが手際よく筆記用具を片付けながらリンに声をかけた。

「うん。でも一応、教室の確認を……」

「エレベーターの中でやれ。次の授業は混むんだ。下手したら階段使うことになるぞ。急げ」

 テオに急かされてリンは慌てて立ち上がった。

 二人はなれない課題や試験に追われていた。

 授業はどれも座学が中心だった

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第15話「学院生活」

第15話「学院生活」

前回、第14話「科目選択」

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「妖精はあらゆるものに宿り、魔法の力で喚起することができます。喚起された妖精は自在に使役することが可能。その力は妖精によりよりけりですが、より古いもの、魔力の集まる由緒正しい場所に宿る妖精の方が、強力かつ多彩で、精霊にクラスアップしやすいと言われています」

 妖精学の教授、ケイロンが教科書を片手に教室の机の間を回りながら講義する。その間も黒板ではチョー

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第14話「科目選択」

第14話「科目選択」

前回、第13話「迎えに来てくれる人」

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 リンとテオは魔導師協会アルフルド支部の厚生課に行って奨学金の手続きをしに行った。

 担当者は分厚いメガネをかけて常に目を細めている神経質そうなおじさんだった。

「うむ。これで提出する書類は全てだ」

 彼はかけているメガネを微調整しながら書類を用心深く見直している。

「学院の試験に合格したものは今後6年間、奨学金の返済を猶予される」

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第13話「迎えに来てくれる人」

第13話「迎えに来てくれる人」

前回、第12話「入学式」

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 入学式が終わり、新入生達はそれぞれ別室に通されて説明を受けた。

 説明は主に以下の通りだった。

 学費は年間50万レギカ払う必要がある。ただし学院生は奨学金の融資を低金利で受けられる。学費以外にも授業に必要な教科書やその他道具に必要な費用も融資を受けることが可能。

 授業の中には学費以外にも受講するのに追加料金が徴収されるものもあるから注意が必要。

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第12話「入学式」

第12話「入学式」

前回、第11話「薄笑いの少女」

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「君は…ユヴェン」

「久しぶりねテオ」

 テオと階段の上にいる少女、ユヴェンがやりとりする。

 リンは二人のやり取りを聞いてようやく彼女が自分ではなくテオに対して話しかけていることに気づいた。

(テオの知り合いなのか)

「ユヴェン、まさか僕を待ち伏せしていたのか」

 テオは警戒するように少女を、ユヴェンをにらみつける。

「待ち伏せ?アッ

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