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犬と暮らしています 散歩と昼寝とガラクタがすき あと花と読書 笑うと目がなくなります

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未練はないけど、たっぷりの後悔を抱えて

結婚しているときより離婚してからの方が、結婚や恋愛の相談をされることが多くなって、相談相手間違えてるでしょうよって思うのだけど、人はどうやら成功より失敗から学ぼうとするらしい。 この間も、結婚を迷っている人から「結婚生活はどうだった?」と聞かれたので「悪くなかったよ」と平坦に返し、さらに「結婚の決め手はなんだったの?」と聞かれたので「わたしが一番わたしでいれる人だったんだよなー」と答えながら、あー本当にそうだったなーとしみじみした。   とにかく絶対的な味方だった。寂しか

    • だけど、逆算の寂しさなんて

      30代って20代の経験をへて良くも悪くも物分かりが良くなり、“都合のいい女”としての需要が一定ある気がしてる。それを会社の先輩に話したら、「それも40手前で終わるよ」とのことで、人生にはまだ見ぬフェーズがあるらしい。 離婚して5年。「もう一度結婚したいと思う?」とたまに聞かれるけど、これに関してはもう「その日によるなぁ」としか言いようがなく、もうちょっと気の利いた返しができないのかよ、と思う。 ひとり最高〜!っていう日もあれば、誰か隣にいればなぁと思う日もある。問題なのは

      • 暮らしの愛用品になった、2022年買ってよかったモノ

        2022年もあと数時間。やっと終わるっていう気持ちと、終わっちゃう寂しさも少し。 1年の振り返りってちょっと面倒で、なんだかんだ毎年やらずに年が明けてしまうんだけど、やっぱり何かしら残しておきたい。 そんなわけで今年は、買ってよかったモノを記録しながら、どんな1年だったかを振り返ってみることにしました。 RIVERSのドリンクボトル週3~5で通うほどハマっているキックボクシング。これまでナルゲンの500mlボトルを使ってたんだけど、めちゃくちゃ汗かきで500mlでは足り

        • 寂しさと戦わない

          寂しさの渦に飲み込まれそうな日というのがたまにあって、そんな日は一日中犬にくっついて過ごす。いっしょに寝て、起きて、散歩して。そして、ちょっといいごはんを食べる。 ちょっといいごはんというのは、私ではなく犬にとっての。犬のごはんは普段ドライフードのみだけれど、こういう日は、りんごとかさつまいもとかゆで卵とか、2人でおなじものを食べる。 大人はどんなふうに、寂しさと付き合ったらいいんだろうね。子どもみたいに泣きつくことができたらいいのにと思うけど、大人はなかなかそういうわけ

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        未練はないけど、たっぷりの後悔を抱えて

          いつか、きっと忘れてしまう

          ひと雨ごとに寒さがゆっくり深まって、木々があったかく色付いていく、この季節が好きだ。秋の木漏れ日は、わたあめを焦がしたみたいな、プリンのカラメルみたいな、甘い香り。 落ち葉は気づいたときには既に落ち葉で、不思議だなぁと思う。そういえば少し前、金木犀のときもそうだった。その香りはいつも急にやってくる。恋みたいだと思った。 あと数センチの距離を、彼のためではなく私が傷つかないために、そっと遠ざけた日を。好きな気持ちに私自身が気づいてしまうことを恐れて、その手を繋げなかった夜を

          いつか、きっと忘れてしまう

          切り株ラプソディ

          切り株っていうのは「ちょっとひと休み」にちょうどいい。座ると“ずしんどしん”という気持ちになり、地球の重力を感じる。 目を瞑ってお尻に意識を向けると、大地から水と栄養をぎゅんぎゅん吸い上げている気分。 今日も切り株でひとやすみ。 木々に囲まれたこの場所は緑が濃くて涼しく、こうやって見ると緑にもいろんな緑があるのだなーと思う。 風がそよぐと枝葉がゆれて、木漏れ日がいくつも落ちてくる。 この切り株にも、めいっぱい枝葉を広げていた時代があったのだと思うと、なんだか感銘深い

          切り株ラプソディ

          愛と呼ぶにはおおげさだけど

          役に立たないことで、役立てていることもある。スンスン(犬)と暮らしていると、そう思う。 頼りないけど、スンスンがいるだけで、いつもとっても心強い。友だちであり家族であり、ときに恋人のような存在。 おはよう、いってきます、ただいま、おやすみ。スンスンはそのすべてに、“しっぽ”でこたえてくれる。うれしい、かなしい、しょんぼり、びっくり。スンスンの気持ちも、“しっぽ”で受け取る。 時々、その“しっぽ”を羨ましく思う。“しっぽ”はとっても素直だから。寂しいのに強がったり、悲しい

          愛と呼ぶにはおおげさだけど

          蜘蛛の巣のフィールド

          朝、散歩から帰ると家の前に立派な蜘蛛の巣が。出かける時はなかったのに、いつの間に編み上げたのだろう。 とっても精巧なつくり。蜘蛛の仕事は早くて美しい。設計図も持たず、何故あの精密な幾何学模様が描けるのか本当に摩訶不思議。 蜘蛛の巣を見つけると、つい足をとめてしまう。「最初の一本はどう架け渡したのだろう」とか「こんなに離れた枝と枝の間にどう糸を張ったのだろう」とか、あれこれ想像しながら眺めるのが楽しい。 糸のレースを張り巡らせて獲物を捕えるだなんて、巧みな生き方だなと思う

          蜘蛛の巣のフィールド

          ないならないなりに、という安心

          スンスン(犬)と、あたらしく、ちいさく暮らしをはじめようと思った。 たくさんのモノやコトで、いつもパンパンなポケット。引っ越しを決めたのは、ふと、そのポケットのほころびに気づきだした頃だった。 東京に暮らして10年。2年の更新がくる度に引っ越しをして、つまりこれまでに4度引っ越しをしたことになるが、5軒目となる今の家は、ちいさな再出発にぴったりの場所だった。 杉並区のすみっこ。目の前には神社があって、後ろには森みたいな公園がある。緑と土の匂い。ほとんど一目惚れだ

          ないならないなりに、という安心

          バロメーターは、冷凍ごはん

          人と暮らしていたときは当たり前だったのに、ひとりになった途端、ぷつっと糸が切れたようにできなくなることがある。 たとえばそれは、朝コーヒーをドリップすることだったり、「いってきます、ただいま」や「いただきます、ごちそうさま」、ごはんを作ること、夜お風呂に入ること、ちゃんと布団で寝ること、だったりするのだけれど、 あらためて書き出してみると、人と暮らすってほんと偉大。 なかでもわたしの場合、一番蔑ろになるのが食事で、わたしは「自分のためのごはん」に、まるで興味がない。

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          今夜は月のせいにして

          今週の空は忙しかった。 冷たい雪と雨から一転。次の日は春みたいな陽気で。かと思えばその次の日はまた冬の風が吹いて——。 ここのところ感情が平坦というか無で、なにに対しても気持ちが入らないでいた。わたしはなにに疲れているのだろう。 めずらしくお酒を飲みに行きたいとも思わなくて、これはちょっとまずい。 本を読む、映画を観る、音楽を聞く、散歩をする、花を買う、お香をたく、掃除をする、布団を干す、ネイルを変える。 自分の機嫌をとるカードはいくつか持っているがどれを投下しても

          今夜は月のせいにして

          恋愛の感受性

          終電をとっくに逃し朝までコース確定となった午前2時。独身女子4人のトークテーマは恋愛タイプについて。 ある心理学の研究によると、恋愛のタイプは「不安型」「回避型」「安定型」の3つに分かれるらしく、わたしは全員から「絶対安定型だよ!」との認定を受けた。 自己分析だと「安定型」ときどき「回避型」だと思うのだけど、どうなんだろ。 思い返してみて、人や環境に左右されがちなわたしは、付き合う人によって「不安型」になったり「回避型」になったり「安定型」になったりしてきた。 「不安

          恋愛の感受性

          島はのびやかで、それでも美しい東京

          お散歩のような旅だった。 行き先は西の方。尾道 – 直島 へ。 尾道の向島から見渡す海は ひたすらにおだやで、のんびり。 キラキラ波打ち際。 そしてひろびろ、ごきげんな空。 あたたかな陽射し。ここは南国か… これで1月だなんてうそだ。 街に出ればノスタルジックな世界。 まるでタイムスリップしたみたいだった。 *****直島ではアート三昧。 島全体がまるっとキャンバス 宝探しの気分。 突如あらわれるかぼちゃなど 島のいたるところにアートが点在していて その異物

          島はのびやかで、それでも美しい東京

          うたうように、じゃれるように。愉快なギタレレ

          世の中には別れた恋人と復縁できるタイプとできないタイプがいるが、わたしはおそらく後者だ。ポジティブにもネガティブにも人間の根っこってそう変わらないと思っている。 それなのに先日、うっかりころっと復縁を果たす。それはほとんど触れたい奏でたいの衝動で相手はギターである。 はじめてのギターは真っ赤なエレキギターだった。きっかけはソラニン。漫画も映画も最高だったけど、なにせアジカンのソラニンだ。 たとえばゆるい幸せが  だらっと続いたとする  きっと悪い種が芽を出して  もう

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          グレーとグラデーションの哲学

          「振られてきた!」彼女はそう言っていつものbarに飛び込んできた。息を切らし外の冷たい空気を連れて。 「お疲れ様」も「頑張ったね」もなんか違う気がした。なぜだか湧き上がってきたのは悔しさに似た感情で、とっさにわたしの口から出たのは「なんでそんな早く決着つけちゃったのさ。先延ばしにすることだっていくらでも…」という言葉だった。 あとになって、わかったようなこと言っちゃったなーと思った。彼女の気持ちは彼女にしかわからないのに。 「振られちゃった!」ではなく「振られてきた!」

          グレーとグラデーションの哲学

          タバコとチロルチョコ。

          花を飾ることだったりTシャツをぴしっと畳むことだったり、人の暮らしへのこだわりに触れるときゅんとする。 わたしにはそういう暮らしや人生におけるこだわりってなくて、だから「ゆずれないこだわり」を尋ねられたとき、そもそものこだわりすらないのに、さらにゆずれないだなんてそんなものは本当にないなぁと思い素直にそうこたえると、諦めの悪いその人は「こだわりがないなんてことは絶対ない」なんてことを言う。 そして思い浮かんだのはタバコとチロルチョコのことだった。 タバコは一日の終わり、

          タバコとチロルチョコ。