みているよ、
陰鬱な気候とそれがどんよりを引き込むの。僕らはなにを見てきたんだろうね、きっとよくないことばかりだったよ。それでもまだ死ねないんだって、それがみんなと繋がりますようにって思うの。
それでも全然なにも残らないんだよ。
どうしてか君らの姿が思い浮かびます。
たくさんの眼がわたしだけをみました。責めるのでしょうか、そうらしいと外の鐘が打ち鳴らしました。どこでもずうと独りでした、いつか届けばいいと願いながらその時が過ぎるのを待つのでした。
だれも守ってはくださいませんでした
誰かがどこかで背中を狙うとき、それから視線を棄てるのです
流れる画像を繋ぎ合わせてもただの妄想になるのです。語るだけの経験は死んでも死に切れませんでした。どうか伝われと思っても、経験などみんな等しくはないのです。
わたしはあなではないし、あなたはわたしではいのでした
だから知りたいと思ったのです
そしてわたしも知られたいと希望を流しました
虚ろな目で登校を繰り返すのはたぶんわたしだけではなかったのです。お前だけが苦しいような顔をしやがってを10年
、胃の中身にため込んで土足の言葉をゆるしました。
蝕まれてしまったのです。股からの血液が止まらず流れ、赤い海を作りました。胎児が泳いでは溶けていき、出来かけの目玉を腐った魚が啄みました。羊水の腐乱がとどまらず、腹を裂いたその刀を今でも形見として腰に下げているのです。
どこの世界もおなじような甲高いピンヒールが楽しそうに蛙や豚を惹き殺していくのでした。
小指と小指を掛け合わせて、そんな日々も。恋という名の駆け引きの前ではなにもないことになってしまうのです。それがたまらなく悲しい、そんな日々も、アルコールで濁すことすらできませんでした。
いまのためにある過去だったと天が云うならば、大富豪でも足りないですよ。口論など馬鹿らしいでしょう、コップに水をためるたびにこの世界がいま誰の味方をしているか気になったものです。
うつる僕の顔が歪んでいくのがわかりました。
毒を食んで苦しんだ後はただじわじわと死んでいくだけなのです。
(僕らは運がよかったんだよ)
(解毒が上手くいった、数少ない側だったんだ)
もうなにも怖いことなんてないはずなのに脚がすくんでしまうのは、ねぇ、電話の向こう側に繋がったのがいまっだったら、わたしは君の一番の理解者になれたんだって、後悔してしまいます。
言い返すことの必要性が、強くなりなさいの意味とか、まったくアドバイスをするくせに誰もかれも、僕の気持ちなんか気も知れなかった。
なんのために生きてだれを愛すとか
まもるために誰かを適当に傷つけているあなたはどんな気持ちか
守るために傷ついた僕がどうしてか死んでしまった
だれも正しいというよ、だったら僕だけが切られた状況の説明を
思い出す過去なんてどうせろくなものじゃないのだから静かに眠れる方法が知りたくて、どうせ僕らは呪いにかかったままだったから。
(その名前がわからない)
雨が降ると赤い蛍光灯を思い出すのです。無意味に外を出て、あの線路の向こう側に行きたいってそう願った夜のことだよ。
(どうして溺れる息苦しさ、嚙み殺してまで)
人の気持ちが分からないことを悔やんでもしょうがないよ。そんなひとしかいない、そんなひとしか、いない。
「知れば知るほど傷つくのは、どうしてか。」
(みんなにはある理由もぼくにだけない理由が分からないこととか)